お知らせ・トピック

札幌研究林においてアート作品の展示をおこなっています

2020年9月29日

 札幌研究林では、科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)の朴 炫貞特任助教によるアート作品の展示をおこなっています。
これは札幌研究林の温室を使った展示プロジェクト「アノオンシツ」の一環として計画されたものです。今回ご紹介する「きいろい線とピンクの点」は、石山通開通に伴い分断された札幌研究林とキャンパスを結ぶ跨道橋が撤去されることとなり、その代替として新たに研究林内に作業道を通すため伐採される木々を使った作品です。
 また今回伐採される木は、本学農学部森林科学科の佐々木 貴信教授、玉井 裕教授、澤田 圭講師および施設部施設企画課の協力もと、可能な限り木材として活用し新たな命を吹き込む計画です。


展示は10月4日まで開催しますが、工事や研究林の作業などにより展示状況が変わる可能性もありますので、詳細はアオノオンシツのFacebookをご覧ください。

展示場所では、樹間を結ぶピンクのナイロン紐と、足下に充分ご注意ください。

アノオンシツ Facebook
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アオノオンシツのオープン時間(温室の公開時間であり、「きいろい線とピンクの点」はいつでもご覧頂けます)

9/25(金) 12:00-15:00
9/26(土) 10:00-16:00
9/27(日) 10:00-16:00
9/28(月) 12:00-15:00
9/29(火) 12:00-15:00
9/30(水) 12:00-15:00
10/1(木) 12:00-15:00
10/2(金) 12:00-15:00
10/3(土) 10:00-16:00
10/4(日) 10:00-16:00

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植物園内の博物館・宮部金吾記念館が開館しました

2020年8月4日

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、7/14より屋外エリアおよび温室に限って開園しておりましたが、 8/1(土)より博物館および宮部金吾記念館が開館しました。なお、北方民族資料室は閉鎖中です。入園料は、平常時と変更ありません。何卒ご了解のうえ、ご入園くださいますようお願い申し上げます。

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植物園の温室が開館しました

2020年7月14日

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、6/16より屋外エリアに限って開園しておりましたが、 7/14(火)より温室が開館しました。なお、このほかの屋内施設(宮部金吾記念館、博物館、北方民族資料室)は閉鎖中です。入園料は、平常時と変更ありません。何卒ご了解のうえ、ご入園くださいますようお願い申し上げます。

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植物園が開園しました

2020年6月16日

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため臨時休園しておりましたが、6/16(火)より、すべての屋内施設( 宮部金吾記念館、博物館、北方民族資料室、温室 )を閉鎖したうえで、屋外部分のみ開園いたします。入園料は、平常時と変更ありません。何卒ご了解のうえ、ご入園くださいますようお願い申し上げます。

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食糧基地拠点のウェブサイトがリニューアルしました

2020年5月25日

食糧基地、北海道の水圏環境を学ぶ体験型教育共同利用拠点 のウェブサイトがリニューアルしました。

https://www.fsc.hokudai.ac.jp/suisan-kyoten/

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本センター森林圏ステーションの教員公募(教員1名、准教授または助教2名)を開始しました

2020年5月22日

生物群集生態領域 教員(教授)の公募について

共生生態系保全領域 教員(准教授または助教)の公募について

生物群集生態領域 教員(准教授または助教)の公募について

2020年6月30日必着

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ニュースレター23号が完成しました。是非ご覧下さい。

2020年5月1日

研究エッセイ「北海道の新しい林業にむけて」

森林圏ステーション 北管理部 吉田 俊也

動植物エッセイ「博物館の標本は”生物”か?」

耕地圏ステーション 植物園 加藤 克

フィールドエッセイ「雨龍研究林でのドローンを使った林冠構造の研究」

  森林圏ステーション 南管理部 柴田 英昭

編集後記

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夏季開園変更・みどりの日無料開園中止のお知らせ

2020年4月23日

【夏季開園 変更】

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、夏季開園を下記のとおり変更いたします。
令和2年4月29日から5月8日までは臨時閉園。
令和2年5月9日(土)から庭園のみ開園。
宮部金吾記念館、博物館、北方民族資料室、温室は閉館いたします。
入園料は、平常時と変更ありません。

何卒ご了解の上、ご入園下さいますようお願い申し上げます。


【みどりの日無料開園 中止】

本年のみどりの日無料開園(5月4日)は中止いたします。

詳しくはこちらをご覧ください

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2/29(土)・3/1(日)の公開講座「冬の植物園ウォッチング・ツアー」開催中止のお知らせ

2020年2月25日

この数日の新型コロナウイルスの感染拡大の状況を考慮いたしまして、2/29(土)・3/1(日)に予定しておりました公開講座「冬の植物園ウォッチング・ツアー」の開催を中止させていただきます。

お申込みされた皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【開催中止】「冬の植物園ウォッチング・ツアー」
日  時  2/29(土)(1)9:30-11:30  (2)13:30-15:30
      3/ 1(日)(3)9:30-11:30  (4)13:30-15:30
対  象  小学生とその家族
募集人数  各回15名(計60名)
場  所  北大植物園
問い合わせ 北大植物園 011-221-0066

https://www.hokudai.ac.jp/fsc/bg/index.html


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生態系変動解析分野の宮下教授がNHK「ダーウィンが来た!」に出演します

2020年1月28日

2月2日(日曜)19:30放送のNHK「ダーウィンが来た!」は「みんな大好き!サケの秘密」です。宮下教授協力のもと、NHKと共同で知床においてバイオロギング技術を使った映像やデータからサケの秘密に迫ります。

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2020年1月9日(木)~10日(金)に、森のたんけん隊2020冬を実施しました。

2020年1月27日

森のたんけん隊2020冬は、2020年1月9日(木)~10日(金)の1泊2日で実施しました。
雪に覆われた森の中を、いくつかのグループで探検し、森の中でクイズを解いたり、宝さがしをしました。よく遊び、森のことをたくさん学びました。

主な内容

  • 冬の森たんけん
  • イグルーを作ろう
  • アイスクリームをつくろう
  • 森の宝をさがそう
  • 雪原パーティ

詳しくは、「森のたんけん隊」のページを御覧ください。

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2/29(土)・3/1(日)に、公開講座「冬の植物園ウォッチング・ツアー」を開催します

2020年1月23日

冬の植物園を歩きながら、樹木や生き物について学びます。

実施日:2020年2月29日(土)・3月1日(日)
対象:小学校とその家族
受付期間:1月20日(月)から2月14日(金)

冬の植物園ウォッチング・ツアー 2019年度ポスター

主な内容
* マツボックリの付く木を知ろう
* カエデの樹液を飲んでみよう
* かんじきで雪の上を歩こう
* マツボックリを使った工作をしてみよう
悪天候等により、内容が若干異なる場合があります。

詳細は、植物園のページを御覧下さい

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冬の国際森林実習のご案内

2020年1月16日

 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター (天塩研究林)では、2020年2月25日~28 日に冬の森林生態学に関する国際実習を開催します。

 対象者は、国内外の学部の3年生および4年生、そして修士課程の学生です。興味のある方はふるってご応募ください。実習は、冬の森林における植物生態、土壌養分動態、炭素循環、土壌動物の生態、林業、そしてそれらに及ぼす気候変動の影響など、基礎から応用まで幅広い内容について学ぶ内容となっています。

 詳細は、以下の Webpageをご覧ください。 https://winter-forest-ecology.weebly.com/ 使用言語は英語です。質問などございましたら、小林真(makoto (at) fsc. hokudai.ac.jp)までお問い合わせください ((at) を@へ変更) 。

University Forests will hold an Winter Forest Ecology Course JAPAN from 25th to 28th February 2020 in northern Hokkaido.

The target students are 3rd and 4th year undergraduate students and master’s course students. During the field course, the students will learn basic and applied knowledge about snow function, above and below-ground plant ecology, soil nutrient dynamics, carbon flux, soil faunal activity and silvicultural activity in winter forest.

For the detail, please visit our webpage https://winter-forest-ecology.weebly.com/

The application will be accepted until 30th January. Please feel free to forward this information to whom might have interests in leaning winter forest ecology in the middle of beautiful forest with heavy snow. If you have question, please contact Makoto Kobayashi ( makoto(a)fsc.hokudai.ac.jp ), one of the organizers of the course.

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ニュースレター22号が完成しました。是非ご覧下さい。

2019年12月27日

研究エッセイ「シカの大地・北海道」

森林圏ステーション 苫小牧研究林 揚妻 直樹

動植物エッセイ「コンペイトウ」

水圏ステーション 臼尻水産実験所 宗原 弘幸

Photo Gallery

フィールドエッセイ「北大農場におけるカバークロップの研究」

  耕地圏ステーション 生物生産研究農場 平田 聡之

新任教員紹介

  水圏ステーション 厚岸臨海実験所 鈴木 一平

北方生物圏フィールド科学センターへの要望

  大学院農学研究院 上田 宏一郎(センター外運営委員)

編集後記

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WMMC’19で黒田実加学術研究員に優秀学生発表賞(アジア圏)(outstanding student presentation award ASIA)

2019年12月25日

 令和元年12月12日(現地時間)、スペインのバルセロナで開催された、World Marine Mammal Conference, Barcelona 2019 (WMMC’19)において、生態系変動解析分野所属の黒田実加学術研究員に優秀学生発表賞(アジア圏)(outstanding student presentation award ASIA)が授与されました。

 同研究員は、学会参加時点において、すでに学生ではありませんが、同研究員がWMMC’19に参加登録を行った時点で大学卒業後1年未満であったため、規定により、同賞の受賞対象となりました。

 今後の活躍が期待されます。

受賞演題(ポスター)
KURODA Mika, SASAKI Motoki, YAMADA Kazutaka, MIKI Nobuhiro, MATSUISHI Takashi F.
Clicks-sound production and frequency determining mechanism in the head of small toothed whales; functional morphology with acoustical interpretation.


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プレスリリース 地球温暖化により北日本のコンブが著しく減少する可能性を予測

2019年10月30日

水圏厚岸臨海実験所の仲岡雅裕教授らの研究が本学のプレスリリースで発表されました。 https://www.hokudai.ac.jp/news/191029_pr.pdf

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天塩研究林「ヒグマしり隊!」開催のお知らせ

2019年10月26日

1年間の生活史、定点カメラによる動画、冬眠時の様子、ヒグマの食性、約45年間におよぶクマ研の活動などを紹介します。 毛皮や頭骨を実際に触る事も出来ます。

開催日:2019年11月3日(日)

    10時00分~12時00分

    (受付は8時30分~)

開催場所:天塩研究林 講義室

参加費:無料

定員:10名(先着順)

募集対象:興味のある方ならどなたでも

応募方法:電話・FAX・メール

     氏名・住所・連絡先をお知らせ下さい。

        電話での応募および問い合わせは、7時30分~18時までです。

       (日曜日、12時15分~13時は除く)

応募をお待ちしております(10/31締切)。

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母子里と出会う旅 2019 秋の空 9月22日、23日

2019年9月11日

幌加内町母子里地区で開催される、一日丸ごと森を探検できる「ナイト&モーニングツアー」 日時 :2019年9月22日(日)14:30~ 9月23日(月・祝日)13:00まで 場所 :北海道大学雨龍研究林(幌加内町母子里) 参加料 :大人3500円、小学生以下2500円(1泊2日3食付) 定員 :20名(要申込) 申込締切 :9月17日(火) 詳しくは下記ファイルをダウンロードしてください。

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北海道の針葉樹は衰退している!

2019年7月25日

森林圏ステーション南管理部の日浦勉教授らの研究が本学のプレスリリースで発表されました。 https://www.hokudai.ac.jp/news/190725_pr2.pdf

原著論文 https://authors.elsevier.com/a/1ZRFB1L~GwKRXH

ポイント

  • 北海道の原生林生態系が気候変動によって改変されていることを実証。
  • 夏期の気温上昇と降水量増加が原生林の針葉樹の成長に負の影響を与えていることを発見。
  • 台風の影響も針葉樹ではより深刻で,気候変動が原生林の姿を変えてしまうことを示す重要な成果。

概要

北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの日浦勉教授らと森林総合研究所の飯島勇人主任研究員の研究グループは,気候変動によって原生状態の針広混交林に生育する針葉樹の割合が年々低下していることを明らかにしました。気候変動は森林生態系に様々な影響を与えていると考えられていますが,樹種ごとの応答やそのメカニズムについてはまだ不明な点が多く,特に長期モニタリングデータに基づいた研究例はわずかです。本研究では,北海道大学中川研究林の原生保存林において17.5ヘクタールに及ぶ森林の樹木1本1本を個体識別して成長や死亡などを約40年間モニタリングし,森林生態系の変化に対する気候変動や地形などの影響を調べました。その結果,夏期の気温上昇と降水量増加がトドマツなど針葉樹の成長に負の影響を与えている一方,イタヤカエデなど広葉樹の成長には正の影響を与えていることがわかりました。2004年の台風による死亡も,針葉樹でより深刻であることが判明しました。その結果,針葉樹の割合が約20%も減少した森林がありました。これらの結果は,気候変動によって森林の姿が大きく改変されるだけでなく,その機能にも影響を及ぼしてしまう可能性を示すものです。本研究成果は,2019年7月22日(月)公開のForest Ecology and Management誌にオンライン掲載されました。

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ニュースレター21号が完成しました。是非ご覧下さい。

2019年6月28日

研究エッセイ「湿地の保護・保全に欠かせない基盤情報「湿地目録」を作成する」

耕地圏ステーション 植物園 冨士田 裕子

フィールドエッセイ「雪の表情」

森林圏ステーション 中川研究林 野村 睦

動植物エッセイ

  水圏ステーション 室蘭臨海実験所 本村 泰三

新任教員紹介

  水圏ステーション 七飯淡水実験所 山崎 彩

Photo Gallery

今後開催するイベントなどのお知らせ

編集後記

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Newsletter #19-3 北方生物圏フィールド科学センターへの要望

2018年6月13日

大学院農学研究院 研究院長 横田 篤(センター外運営委員)

 私の専門は農芸化学の応用微生物学で、学生時代を含めこれまで40年近く専ら実験室におりましたので、フィールド科学センターとは接点がありませんでした。しかし農学研究院長として3年前からセンター外運営委員となり、漸くセンターとの関わりができました。そこで運営委員会での経験と農学研究院や北大の運営面からの要望を述べてみたいと思います。
 運営会議に出席して初めて知り印象的であったことは、センターの各施設が各領域の学内外の研究者に利用されているだけでなく、文科省教育関係共同利用拠点として学外や海外からも学生を受入れ、フィールド科学に強みのある北大の教育研究に有効利用されていることでした。一方で、組織再編により2001年にセンターが誕生し各領域が一つの組織にまとまった意義を踏まえた今後の展望についての議論が必要ではないかと感じました。これは逆に言えばセンター発足時に農学部から農場、牧場、演習林、植物園と一挙に4つもの附属施設が切り離されたことの教育研究面におけるデメリットをどうしても考えてしまうからです。
 次に本論として北大の運営面から見た要望です。そもそも演習林や農場は維持資金としての基本財産であり、その運用(経営)収入は札幌農学校や北海道帝国大学の経常的な運営財源でした。秋林ら(北大演研報 54(2), 273-298 (1997))は、例えば昭和初期に雨龍地方演習林の森林売却益によって理学部創設費(昭和2~5年)の半分が賄われ(現在博物館となっている旧理学部の建物新営費の70%)、他にも医学部附属病院拡張費(昭和元〜9年)、農学部の改築(含現在の本館新営)費(昭和7~12年)の大部分が支弁され、これが農学校から帝国大学への昇格やその後の総合大学化の決め手になったと述べています。国の財政が逼迫する中このような自己資金の有無は大学運営に決定的に重要であったため、当時の帝国大学は演習林の拡充に努めました。中でも北大の演習林は広大で現在でも国立大学の全演習林面積の1/2、世界の大学演習林としても最大の面積を誇っています。残念ながら現在は過去の過度な伐採により森林が回復せず、研究林の収益はごく僅かと聞いています。
 一方、世界一の広大な面積を生かしてカーボンオフセットの仕組みを導入すれば、伐採によらずに持続的な収益をあげることが可能との試算があります。法人化による財政難に苦しむ今こそ演習林設立の原点に立ち返り、全学の経営に貢献する時ではないでしょうか。センターの理念としての「持続的な生物生産」にも合致し、緑のスクールカラーを持つ北大らしい先進的な取組みとして世間からも評価されるでしょう。この取組みは過去に何度か検討されていると聞きますが、この機会に是非推進し実現していただきたいと考えます。
 フィールド研究に従事していない素人が勝手なことを申し上げました。ご無礼や私の思い違いがあれば指摘いただき、ご容赦とご教示を乞うものです。

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Newsletter #19-2 桃栗三年柿八年…

2018年5月15日

水圏ステーション 七飯淡水実験所 山羽 悦郎

 20年以上前に、「桃栗三年柿八年といいますが、これは種(タネ)から栽培した場合です。甘柿の枝を渋柿の根に接木すれば、八年かからずに甘柿を食べられるのです。このような種苗生産を魚でできないでしょうか。…」という文章で始まる科学研究費の申請をしました。首尾よく研究費に採択され研究が始まりました。どんな研究かというと、まずある魚(ドナー種)の発生過程で分化してくる生殖細胞の元となる細胞(始原生殖細胞:PGCといいます)を取り出し、別の種(宿主種)の胚へ移植します。そうすると宿主種の生殖腺にドナー種のPGCが組み込まれ、やがて宿主種の生殖腺の発達に伴ってドナー種の配偶子(卵、精子)が作られます。このままだと宿主種の配偶子も作られますから、宿主種のPGCは分化できないようにします。このようにして、別の種の配偶子を作る魚が作り出されました。約3ヶ月で成熟するゼブラフィッシュを宿主種とし、成熟に1年以上かかるキンギョやドジョウの精子が作れたのです。つまり、キンギョやドジョウのPGCをゼブラフィッシュへ接ぎ木することで配偶子を作るまでの時間を短縮することができました。しかし、どんな魚の配偶子も作り出せる訳ではありませんでした。同じ属の近縁種なら卵も精子も作れますが、遺伝的な距離が遠くなるにつれて精子だけしかできなくなり、目のレベルまで離れると配偶子は作られませんでした。接ぎ木の場合でも、種間の遺伝的距離が遠くなればつながらなくなりますから。
 「接ぎ木」というのは農業・園芸用語です。別の種の配偶子を作り出す魚は、動物での「キメラ」という用語を使います。キメラというのは、遺伝的に異なる2つ以上の細胞から個体が構成されているという意味を持ちます。受精後、細胞が増殖をする時期に、同種の他胚からの細胞を移植すれば簡単にキメラは作り出せます。キンギョにフナの胚を移植すると、キンギョとフナの細胞をもったキメラができ、さらに両方の配偶子を作ります。すなわち、一つの個体から複数の個体の配偶子を生産することができます。これを発展させれば、多様性を持った配偶子を少ない個体に作らせることができるのではないかと考えています。現在、数多くの胚からPGCを集めて移植したキメラの誘導を目指し、研究を進めています。


ゼブラフィッシュに移植されたウナギのPGC(緑)、周りの赤い細胞がゼブラフィッシュのPGCs

キンギョにフナの胚盤を移植した胚から発生したキメラ個体


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Newsletter #19-1 ミズナラもふるさとがやっぱりあずましい

2018年4月12日

森林圏ステーション 南管理部 門松 昌彦

 古くから、北海道は優れた材質の広葉樹を産するところとして世界的に知られてきました。その広葉樹のひとつであるミズナラは、明治時代には「インチ材」の枕木として欧州に輸出されていました。ただし、実際の用途は枕木ではなく、家具の材料と使われていました。ナラ類の柾目(まさめ)という切断面には、「虎斑(とらふ)」とよばれる美しい紋様が表れ珍重されます。しかし近年、広葉樹王国と呼ばれてきた北海道にも陰りが見えてきて、道産材流通量が減少し輸入材が増加しています。
 これに対処するため資源量の確保は当然ですが、育種的観点を入れて品質の向上を図ることも望まれます。道東の足寄(九州大学北海道演習林)では、足寄産ミズナラの材質が地域特性なのかどうか問題になったことがあると聞いたことがあります。一方、研究が先行している針葉樹のトドマツでは雪や寒さに関係する地域変異が報告されています。ミズナラの品質等が自生地の環境に影響されるのか、または遺伝的違いに左右されているのかを明らかにするため、1981年に以下の地域の同一母樹セットのドングリを相互交換し、足寄、山部(東京大学北海道演習林)、雨龍(北海道大学雨龍研究林)に産地試験地が設定されました。産地として定山渓(国有林)も加えられました。
 設定20年後に3試験地を調査しました。産地を比較すると、根元直径は山部が最も太く、定山渓が最も細かったです。樹高も山部が最高で、定山渓が最低でした。試験地間を比べると山部試験地が成績優秀でした。試験地内での産地同士の違いをみると足寄では顕著ではありませんでしたが、他の試験地では根元直径、樹高ともに産地により違いがありました。さらによくみると、山部試験地ではそこがふるさとの山部産が、雨龍試験地では雨龍産が相対的に成績が良かったです。なお、定山渓産は3試験地全てで最悪の結果を示しました。設定30年後に3試験地を再調査しましたが、似たような傾向がみられました。
最大積雪深は足寄、山部、雨龍の順に深く、足寄は1mにもなりませんが、雨龍では平地でも2mを優に超えます。写真に示したように、雨龍試験地では一部の足寄産ミズナラが雪圧の被害を受けていました。産地間の違いの要因のひとつとして雪が挙げられるかもしれません。
ミズナラ人工林は100年強で収穫できると言われています。今37年を迎えた試験地はまだまだ若いステージにあります。


写真1 雨竜試験地の足寄産ミズナラ(根本曲り)

写真2 足寄試験地の足寄産ミズナラ


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2018年2月25日(日)に、第5回KIKORI祭に参加しました。

2018年3月5日

北海道中川町で、第5回KIKORI祭が開催されました。
3名1組でチームで参加します。
名寄(名寄教育研究棟)からは、「北大北管理部」「NYR38」「木人会」の3チームが参加しました。
詳しくは、こちらをご覧ください
中川町のKIKORI祭のページは、こちら。
http://nakagawanomori.info/kanko/kikori/

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Newsletter #18-4 新任教員紹介

2017年12月24日

新任教員紹介:市原 健介(いちはら けんすけ)

(News letter 18号掲載予定)

水圏ステーション 室蘭臨海実験所・特任助教

経歴: 北海道大学大学院理学院自然史科学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。専門は海産緑藻の分類学、進化生物学。東邦大学博士研究員、日本女子大学学術研究員、日本学術振興会特別研究員(東京大学新領域創成科学研究科)等を経て、平成29年4月より現職。

 初めまして、2017年4月に文部科学省教育関係共同利用拠点の特任助教として室蘭臨海実験所に着任しました市原健介と申します。これまでは主に緑色の海藻類を対象として、分類(新種記載)や適応進化の研究を行ってきました。大学院時代は、沖縄県で発見した淡水産のアオノリの新種記載や低塩濃度への適応機構についての研究を行い、学位を取得しました。学位取得後は緑色海藻シオグサ科の分類や、微細藻ヒメミカヅキモの有性生殖機構、最近では緑色海藻アオノリ類での性染色体領域の解析や生殖様式の進化について研究を進めています。
 室蘭臨海実験所には、もう10年以上昔の話になりますが、学部生時代に臨海実習でお世話になった思い出があります。当時の実験所は、チャラツナイの崖の下にあり、眼前に雄大な太平洋が広がっていたのをよく覚えています。臨海実験所という自分の研究対象である海藻類がいつでも採れる場所で、研究生活を送れることはとても幸運なことです。ここでの生活を通じて、自分の研究テーマをしっかりと確立したいと考えています。
 着任し、すでに半年以上が経ちますが、国内・国際臨海実習に加えて、室蘭市の小学生や中学生を対象とした学習会を複数担当させて頂いたこともあり、本当にあっという間に時間が過ぎて行ったと感じています。陸上植物と比べると、海藻類は花も付けませんし、地味な印象が強いかもしれません。しかし、実際に海に出てみると、陸上植物の花に勝るとも劣らない鮮やかな色彩の海藻を多く見ることができます。紅藻、緑藻、褐藻はそれぞれに多様性な生活史や生殖様式を持っており、生物学的な視点で見てみても非常に魅力的なグループです。また褐藻類からはアルギン酸やフコイダン、紅藻類からは寒天等の抽出物も多く生産されており、実は人の生活に密に関わっているグループでもあります。臨海実験所で行なわれる実習やその他のアウトリーチ活動を通して、様々な海藻の魅力的な面を利用者の方たちに伝えていけるよう努力していきたいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

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Newsletter #18-3 動植物エッセイ

2017年12月22日

動植物エッセイ:エンビセンノウ―“湿原の花火”を消さないために

(News letter 18号掲載予定)

耕地圏ステーション 植物園 中村 剛

 ナデシコ科のエンビセンノウは,北海道では日高・胆振地方のみに見られます.湿性草地のヤチボウズ上に生育し,夏には花火のような紅色の花をつけてヤチボウズの緑と鮮明なコントラストを成します.しかし,湿性草地は放牧地への転換など開発を受けやすく,その自生地は激減しています.私たちの生態調査で,道内ではエンビセンノウは9集団約300個体しか現存せず,そのうち7集団は10個体以下で,絶滅の危険性が非常に高いことが分かりました.
 実は,北海道は日本で最も絶滅危惧植物が集中する地域の1つです.しかし,北海道の絶滅危惧植物は必ずしも道固有種ではなく,東北アジアに広く分布する種が多く含まれます.エンビセンノウも,日本(北海道,青森,長野),韓国(江原道),中国(吉林省),ロシア(沿海地方)の環日本海に分布します.種の分布は広い一方で,集団が僅少な日本,韓国,中国で絶滅危惧種・希少種に指定されています.
 私は,東北アジアの絶滅危惧植物の研究と保全を行っています.従来,広域分布する絶滅危惧植物の保全研究は,国境という非生物学的な枠組みで制限されてきました.しかし,種の効果的な保全のためには,分布域全体で集団間の遺伝子流動(花粉や種子の移動)の頻度や方向性,集団の遺伝的固有性を明らかにし,集団の保全優先度をグローバルに評価して,その知見を関係国間で共有するネットワーキングが必要です.
 これまでロシア,中国,韓国で,研究室の大学院生たち及び現地の共同研究者と調査・採集を行いました.エンビセンノウが絶滅危惧種とされていない唯一の国であるロシアでは,広大な湿原に数百株が咲き乱れており,健全な自生地の環境を知ることができました.遺伝解析の結果,長距離の遺伝子流動はほとんどなく各国で遺伝的固有化が進んでいることがわかり,遺伝的多様性を失わないために日中韓で生息域外保全を進めることになりました.また,北海道・青森集団はロシア集団と,長野集団は韓国・中国集団と比較的近縁なことから,本種は,ロシアから北海道,朝鮮半島から本州の南北2ルートで日本に進入したと考えられます.この分布拡大経路を背景として,種内最大の遺伝的分化は北海道–長野間に認められました.日本国内の保全活動ではこれに留意し,自生地や栽培下で遺伝子汚染を起こさないよう注意が必要です.
 環境省では既にエンビセンノウの栽培・増殖を行っていますが,株の由来が不明でした.分布域全域をカバーした遺伝解析の結果と照合することで長野県軽井沢の由来と判明し,生息域外保全株としての価値を回復することができました.北大植物園でも,工事で消失した自生地のエンビセンノウを生息域外保全しています.増殖した保全株を環境が回復した元自生地へ植え戻す計画を地権者企業と協力して策定し,また,環境教育のために園内に自生地の様子を再現した生態展示を制作しました.この生態展示を見て,エンビセンノウの遥かな旅路とその保全意義について考えて頂けたらと思います.

 

ロシア沿海地方のエンビセンノウ大群落.日本,中国,韓国では保全対象種である.

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Newsletter #18-2 研究エッセイ

2017年12月13日

研究エッセイ:海のしきさい

(News letter 18号掲載予定)

水圏ステーション 厚岸臨海実験所 伊佐田 智規

 2017年12月23日、JAXAから海の色を測定する新しい高解像度の地球観測衛星SGLI/GCOM-Cが打ち上げられます。愛称は『しきさい』に決まりました。私の研究の一つは、海の色を調べて、海の中にいる植物プランクトンの量、種類、光合成量などを、衛星から推定する事です。船に乗って現場の海水データを集め、それらからアルゴリズムと呼ばれる関係式を作り、衛星の情報と組み合わせる事で、植物プランクトンの量などを広範囲かつ連続的に推定します。海の植物プランクトンは光合成により二酸化炭素を吸収するので、地球温暖化など現在の地球の状態を評価する上でも、その動態を衛星から知る事は重要です。食物連鎖の出発点でもあるので海洋生態系をより理解する事にも繋がります。
 ところで皆さんは、海の色は?と聞かれた場合、どんな色をイメージしますか?おそらく「青」をイメージする方が多いと思います。しかし、海の色は場所や季節によって異なります。陸から遠く離れた外洋域の海は確かに青いのですが、厚岸臨海実験所の目の前にある沿岸の海はむしろ緑っぽく、黄色、茶色、黒っぽい時もあります(下写真)。毎日違う色を見せてくれるので、陸でのお花見や紅葉の様な感覚で楽しむ事ができます。海の色は、水分子自身、植物プランクトン、懸濁物質(デトリタス)、色がついた溶存有機物(有色溶存有機物)の吸収・散乱で決まります。海の色を測定する衛星は、太陽の光が水中に入り、これらの物質に吸収・散乱され、最終的に海から返ってきた残りの光(反射率)を測定しています。現場にある物質と反射率の関係が予め分かっていれば(アルゴリズムを作れば)、反射率を測定するだけで海面付近の情報を推定する事が可能になります。水分子の振る舞いはどこでも変わらないので、外洋域における水中の光吸収成分は主に植物プランクトンである、と比較的単純に考える事ができるのですが、厚岸の様な沿岸域は植物プランクトン以外にも、懸濁物質や有色溶存有機物が豊富に存在するので、複雑な光学特性を示します。特に有色溶存有機物は、陸上の森林や特に湿原などで生成されたフミン酸やフルボ酸といった腐植物質から構成される物で、紫外域を良く吸収します。厚岸水系の上流にはラムサール条約湿地にも登録されている別寒辺牛湿原があり、有色溶存有機物が豊富に含まれた水が別寒辺牛川を通じて厚岸湾へと流れてきます。厚岸の海が黄色や茶色に見える時があるのはそのためです。
 新しい海色衛星『しきさい』では、植物プランクトンの量を推定する事以外にも、有色溶存有機物を正確に推定する事もミッションの一つとされています。有色溶存有機物は海への河川流入の指標にもなるので、森・川・海の流域評価にも力を発揮する事が期待されています。厚岸の海は複雑な光学特性を示す一方で、有色溶存有機物の影響を評価できる、まさに最適の海域となっています。『しきさい』がどんな地球の彩りを映し出してくれるのかが楽しみなのと同時に、この衛星の高精度化に向け、厚岸臨海実験所のみさご丸に船酔いにも負けず乗船し、現場検証データを取得する事で、地球観測ミッションに貢献できればと思っています。

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Newsletter #18-1 フィールドエッセイ

2017年12月8日

フィールドエッセイ:ドングリを拾い続けてわかる長期観測の重要性

(News letter 18号掲載予定)

森林圏ステーション 北管理部 植村 滋

 果実や種子の数が、個体間で同調しながら年次変動する現象を豊凶変動といい、狩猟採集の時代から人々の暮らしと密接に関わる生物現象として、大きな関心が払われてきました。豊凶変動は個体群の更新動態だけでなく、それらを摂食する哺乳類や鳥類、昆虫などさまざまな生物の個体群動態にも大きな影響を及ぼします。そのため、変動のパタンや豊凶を引き起こすメカニズムを解き明かすことは、生物生産の現場はもとより、複雑な生態系の相互関係の理解にとっても重要な課題のひとつです。
 北方生物圏フィールド科学センターの各研究林では、北海道の代表的な落葉広葉樹で、木材資源としても重要なミズナラの種子、つまりドングリの成り具合を長期にわたって観測しています。最も早くから観測が行われている雨龍研究林では、1981年に流域の異なる3つのサイトで林冠を構成するミズナラの成熟個体を選定し、観測を開始しました。その後の台風などによる風倒や大きな枝に損傷を受けた個体を除く47個体でモニタリングが続けられ、2017年現在で36年間のデータが蓄積しています。

 モニタリングでは、毎年8月に樹冠下のササや下草を刈り払ったあと、9月初旬から10月上旬まで都合3回、樹冠下に落下したすべてのドングリを拾い集めます。拾い漏れがないように、落ち葉の下も丁寧に探します。集めたドングリは母樹ごとに袋に入れて庁舎に持ち帰り、全体の重さを測った後、ひたすら数えます。最後に、虫食いやシイナ(中身が充実していない種子)を除き、母樹ごとに50個の健全なドングリをランダムに抽出して、1個ずつ重量を記録し、平均値と分散を求めます。数え終わったドングリは山に撒いて、次世代の森の育成に役立てます。
 秋の森でのドングリ拾いと言えば、のどかで楽しい牧歌的な光景を思い浮かべる人も多いと思いますが、観測個体が多いことに加えて、庁舎内での計測作業は単純かつ単調ながら、集中力と忍耐力が求められるきつい作業です。特に生産数がそれまでの平均の6倍以上にもなった2010年は、まさにマスティングと呼ぶに相応しい圧巻の大豊作で、手分けして数えたドングリの総数は実に38万個。しばらくは誰もがドングリの顔を見るもの嫌になったほどでした。

 これまでの観測結果から、個体間やサイト間で変動の傾向が同調し、受粉期や登熟期の気温や降水量など地域的な気象環境が影響していることが明らかになりました。また、豊作の翌年は不作あるいは凶作になる確率が高く、豊作によって翌年の繁殖に利用される貯蔵資源量が低下するなどの個体の内的要因も豊凶に関与していることが明らかになりました。長期間の変動傾向の中で特に注目されるのは、観測期間の前期は1987年の豊作年を除いて、生産数が少なく変動幅も小さかった変動パタンが1993年を境に大きく変化し、例外はあるものの周期的な変動パタンが見られるようになったことです。考えられる要因のひとつとして、近年の地球温暖化による夏の気温の上昇で光合成活性が高まり、繁殖資源量の回復に要する期間が短縮した可能性を指摘する人もいます。
 豊凶変動と他の生物との関係では、森に棲息するアカネズミの個体数が、かなりの確率で前年のドングリ生産数と同調して変動していることが明らかになりました。これは越冬中の餌の多くをドングリに依存しているアカネズミにとって、秋の間に蓄えたドングリの量が越冬中の生存率や翌年の繁殖成功率と密接に関わっているためと考えられています。一方、特別な種子散布器官を持たないミズナラにとっても、生育適地への散布の成功率がネズミの密度依存的な捕食や貯食行動に左右されることから、ネズミの個体群密度とともに豊凶変動の同調性が生じたという適応進化的な仮説の検証についても手がかりを得られることが期待されます。

 これまでの観測によって、森林生態系の動的な維持機構の一端が少しずつ解明されてきましたが、何しろ1年かけてようやくデータがひとつ積み重なるだけの地道なモニタリング調査です。そのため、これだけ長期にわたって個体ごとの種子生産量を大規模に観測している研究は世界でも例がありません。短期間では決して成果を得ることができない息の長い研究ですが、各研究林では森林のダイナミクスや生物間の相互作用に関するさらに興味深い謎を解き明かすために、ドングリを拾い続けています。
                                

 

写真1:秋の森でドングリ拾い。豊作年は職員総出で拾います。

写真2:作業所内での計数は、集中力と持続力が求められるきつい作業。

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植物園で小学生向け公開講座「葉っぱで作る植物図鑑」を開催

2017年8月3日

7月27日(木)・28日(金)の2日間にわたり,小学生向け公開講座「葉っぱで作る植物図鑑」を午前1回,午後1回,2日間で合計4回開催しました。39名の小学生が参加し,植物園の植物の葉っぱを使ってオリジナル図鑑作りに取り組みました。

この公開講座は,実際のっぱを使った図鑑作り(押し葉標本)を通して,植物によって葉っぱの付き方,大きさ,かたち,色,肌触りなどが違うことを感じ,植物の多様性を理解することを目的としています。

今年はまず,屋外でハルニレの葉っぱを観察し,樹木全体の様子や大きさも体感しました。次に室内に移動し,職員が用意した11種類の樹木の葉っぱから,気に入った種類を選びました。そして,葉っぱの特徴を丁寧に観察して記録し,テープを使って台紙に貼り付けました。最後に,帰宅後に行う図鑑の仕上げ方法を学び,自分が作った世界でたった一つの図鑑を仕上げる約束をしました。

残念ながら28日の午後は雨にたたられ,屋外でのハルニレ観察は省略せざるを得ませんでしたが,参加者からは,「いろいろな葉っぱがあっておもしろかった」「今度は花の図鑑を作りたい」など,たくさんの感想をいただきました。

参加された皆さん,ありがとうございました。

みんなで手をつなぎ,ハルニレの大きさを体感しました

葉っぱの特徴が出るように台紙にテープで貼り付けます

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北大農場公開2017「夏の北大農場を味わおう」が実施されました

7月26日(水)に生物生産研究農場(北大農場)において,農場公開を行いました。北大農場では毎年公開を行っており,テーマを決めて,施設や教育研究活動を紹介しています。今回は,搾乳やアイスクリーム作りを体験し,「どのようにして牛乳ができるのか」「牛乳がどうやってアイスクリームになるのか」を学んでもらい,さらに夏が旬であるブルーベリーの収穫体験等のプログラムを企画し,主に札幌市内から小学生と保護者9組20名の参加がありました。

始めに牛舎に行き,防疫・衛生のためオーバーシューズを履き,技術職員が毎日行っている搾乳作業を見学した後,担当職員から手搾りの方法を教わってから搾乳体験を行いました。参加者は最初戸惑いながらも,だんだん慣れてきて上手に搾れたようです。「初めての搾乳体験ができて嬉しかった。貴重な体験になった」等の感想をいただきました。
次に牛舎内で,牛の餌である牧草やデントコーンと,それらの貯蔵飼料である乾草やサイレージ,その他,濃厚飼料について説明がありました。その後放牧地に移動し,放牧地の牛糞が虫によって細かく穴があけられている様子を観察してもらい,微生物による分解がされ易くなって,牧草の肥料となることなどの解説もありました。北大農場のように札幌の中心地で,現在の日本の酪農ではあまり見られない放牧がされているという話には,参加者からはすごいという声をいただきました。

搾乳体験

放牧地見学

 

その後,園芸圃場に移動し,手洗いをしてからブルーベリーの収穫体験を行いました。熟した実を探して摘んでいく体験をして,「思ったよりもたくさん収穫できて良かった。家でジャム作りをします」等の感想をいただきました。

ブルーベリー収穫体験

 

最後にアグリフードセンターで,北方生物圏フィールド科学センターの三谷朋弘助教による乳牛の講義がありました。草食動物が胃の中で草を分解して栄養源とすることや,乳牛の体内で牛乳ができる仕組みなどの説明がありました。講義を聴きながら,簡単なアイスクリーム作りを体験していただきました。牛乳と砂糖を混ぜたものを袋に入れしっかり閉めておき,さらに大きな袋に氷と食塩,牛乳と砂糖の入った袋を一緒に入れて,講義の間に軍手をした手でよく振って固めてもらいました。この体験で製造したものと,アグリフードセンターで製造したアイスクリームとを食べ比べてもらいました。原料や製造方法の違いで,大きく製品に影響が出ることをわかってもらえたようですが,簡単なアイスクリームの作り方は家でもできると好評でした。

乳牛の講義を聴きながらアイスクリーム作り

 

講義の後は試食を兼ねた昼食時間とし,アグリフードセンターで製造したソーセージ・ベーコンなどの肉製品とアイスクリーム,北大農場で生産された牛乳,ハスカップジャムが提供され,非常に好評でした。北大農場の製品や生産物が買えると良いという声もいただきました。

半日という短い時間でしたが,「搾乳からアイスクリームまで」の一貫したシステム,旬の摘みたてのブルーベリーの味,普段何気なく口にしている,牛乳やアイスクリームについての理解がより一層深まったことと思います。今後も農場公開を通して,私たちの毎日に欠かせない「食」について考える機会を提供していきます。

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2017年2月26日(日)に、第4回KIKORI祭に参加しました。

2017年3月2日

北海道中川町で、第4回KIKORI祭が開催されました。
名寄からは、きこり丸太レースに2チームが参加しました。
お祭りの会場には、林業体験ブースがあります。
今回は「ロープを使った木登りコーナー」のお手伝いをしました。
詳細は、こちら

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「バチ」による人力集材の記録

2015年12月3日

中川研究林で、かつて冬の造材現場で使われていた「人バチ」の写真です。おそらく昭和40年前後の写真ではないでしょうか。

バチとは、伐採した木を土場まで運び出すのに使っていた橇のような道具です。馬が引くのではなく、人が引っ張るのが「人バチ」です。

丸太の頭をこのバチに乗せて少し丸太を浮かすことで、雪面との摩擦を減らして運びやすくしていたのではないかと思われます。

けっこう太い丸太を人の力で運び出していたことに驚きました。

(追記)
この道具は「つのバチ」というそうです。
下記のサイトに詳しい使い方が紹介されていました。
http://www.onitoge.org/ryokou/120929/6.html

人バチ写真_1 人バチ写真_2

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生物生産研究農場で畜魂祭が挙行されました。

2015年11月11日

北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場では,10月23日(金)午後1時から,アグリフードセンター傍に位置する畜魂碑前において,教育・研究に供された家畜の供養のために畜魂祭を執り行いました。さわやかな秋晴れの中,山田農場長をはじめとする本センターの教職員,本センターを利用する農学部の教員、畜産科学科の学生など約70名の関係者に参列いただきました。
本センター生物生産研究農場では,自給飼料を主体とする物質循環型の持続的な家畜生産を継続して行っており,様々な教育・研究に用いられてきています。また,家畜用飼料作物の生産から,それらを利用した家畜生産を行い,得られた生産物を加工して製品を製造するという一連の流れを教育の中心としています。これらの教育・研究活動に対して,多大な貢献をした家畜・家禽に感謝し,その御霊を供養するために毎年畜魂祭を行っています。
はじめに山田農場長の挨拶の後,参列者全員で畜魂碑に拝礼しました。その後,中小家畜生産研究施設,酪農生産研究施設及び畜産製造施設より,家畜・家禽の飼養頭数や利用実績等の報告があり,最後に山田農場長から,世界的には人口増加や経済発展に伴って肉需要が急増しているなかで,自然環境破壊,水資源不足,土壌・水質汚染など多くの環境問題に今後直面していかなければならないことや北海道では酪農家の離農も増加していることなど紹介があり,参列者一同による,持続的な畜産生産システムや高付加価値生産システムの構築に向けて,教育・研究の推進や技術の向上が不可欠であるという思いを新たにしました。

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生物生産研究農場では蓄魂祭を行います。

2015年10月15日

生物生産研究農場では、従来から継続的に家畜家禽を飼育しており、教育研究に積極
的に利用されています。これらの教育研究に大きな貢献をした家畜・ 家禽に感謝し、
また、その魂を供養するため、恒例の蓄魂祭を以下の通り行います。

日時 平成27年10月23日(金) 13:00~(10分程度を予定)
場所 アグリフードセンター南側(ポプラ並木裏手)
主催 北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場

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