地球環境問題は長年にわたる人間活動によってもたらされたものであり、環境と人間活動の調和を如何に実現するかは21 世紀最大の課題である。生物圏は大気、水、食料など人間の生存にとって不可欠なものを生み出す場であり、その保全も人間活動と切り離して考えることは出来ない。生物圏を自然と人間の共生系としてとらえ、地域、地球規模からそのあり方を解析・検討することが求められている。本センターが行う教育研究は、センターが有するフィールドおよび施設と、アジア北方域の森林圏、耕地・草地圏、水圏における個別的な事象・知見を基に、地域生態系、地球生態系における人間の生産・生存活動と自然の相互関係、生物多様性保全の方法などの総合的な解析・検討を行うために、森林圏研究、耕地圏研究領域、水圏研究、統合研究の4領域から構成されている。
-
森林圏研究領域
広大な研究林フィールドと組織力を最大限に活用し、森林生態系に関する長期的な観測や野外実験に基づいた研究を推進する。特に、環境変動下での森林の生物多様性、生態系機能の保全、地域資源の持続的管理に関する研究を行う。
-
耕地圏研究領域
生物生産研究農場、植物園、静内研究牧場を起点に、生物生産活動と環境との調和に必要な諸問題について取り組む。生物資源の多様性の解明と遺伝資源の収集・保全を行い、耕地生態系における持続的生物生産を目指す
-
水圏研究領域
北海道の雄大な海、河川や湖に生息する多様な水圏生物を対象に、遺伝子レベルから生態系レベルまでの生物科学および生物生産に関する研究を推進する。特に水圏生物の生命プロセス、水産有用生物の資源管理、ならびに生態系変動観測手法の新開発に取り組む。
-
統合研究領域
本領域は、当センターの他の3領域が扱う、森林・耕地・水域を包括する生物圏を対象とし、人間と自然環境との共生を高度化するために、それぞれの圏の相互関係を考慮した分野横断的・総合的な教育研究を行う。