(締め切りました)【和歌山研究林】「北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念 探索ツアー」開催のお知らせ(応募〆切:2025年5月7日㈬)
2025年4月1日
※ご好評につき、各日とも定員に達しましたため、募集を終了いたしました。
多数のお申し込みをいただき、誠にありがとうございました。次回の機会にぜひご参加いただけますと幸いです。(2025年4月24日)
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター和歌山研究林は2025年3月、創立から100周年を迎えます。
普段は、森林に関する研究のためや大学生を始めとした学生たちの教育のために利用されている当研究林。日頃の感謝を込めて、一般の方をご案内するガイドツアーを開催いたします。
[北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念]
南紀熊野 神秘の森と里の暮らし
~北海道大学 和歌山研究林 探索ツアー~
里山の美しい風景や暮らしの実情、紀南地域ならではの照葉樹の森を五感を使って体験し学べるツアーです。
和歌山県・古座川の源流にある人口約60人の小さな集落・平井にある研究林庁舎からスタート。里山での暮らしを辿りながら細道を歩いて研究林に向かいます。森の中で川のせせらぎを聞きながらひとやすみした後は、いよいよ、普段は研究に使用されるモノレールに乗って「大森山保存林」に入ります。そこは訪れる人々を虜にしてやまない、北大が百年に亘り見守り続けてきた手つかずの天然林。苔むした岩、清流の水音、鳥のさえずり、深い緑の木々が織りなすその森は、現実世界とは一線を画した空気をまとっています。
ご案内するのは、林業だけでなく、学生の教育や研究者のサポートに日々携わり、誰よりもこの森を知る北大研究林職員。今回、特別にみなさまをご案内します。
ツアーの詳細については、和歌山研究林Webサイトをご覧ください。
【イベント情報】「北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念 探索ツアー」開催のお知らせ(応募〆切:2025年5月7日㈬) – 北海道大学 和歌山研究林
日時:2025年 5月17日(土)・18日(日)
〈各日〉9:00~15:30(受付開始 8:30)
料金:8,000円/人
募集人数:各日12名 *1
対象:小学4年生以上
集合場所:北海道大学 和歌山研究林 庁舎
(〒649-4563 和歌山県東牟婁郡古座川町平井559)*2、*3
持ち物・服装:お弁当、飲み物、歩きやすい靴等
申込先:以下のGoogleフォームよりお申し込みください。
*1:応募数が3名に満たない場合、実施を中止することがあります。その場合は5月9日(金)までに中止の旨をご連絡します。
*2:ご希望の方は周辺JR駅等への送迎いたします。詳細は応相談。送迎希望はお申込フォームにご記載ください。
*3:現在、国道371号線 大原平橋から北に500m区間は土砂崩れ発生のため常時通行止めになっていますのでご注意ください。

フライヤーデザイン:北大デザインサークル+Dtips 関口敦仁 安田萌々花
【お問い合わせ先】
北海道大学 和歌山研究林
MAIL:wak-jim@fsc.hokudai.ac.jp TEL:0735-77-0321
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生物生産研究農場ではカイコの飼育ボランティアを募集します
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 生物生産研究農場 養蚕室では、カイコ、ヤママユガの飼育ボランティアの募集(無償)をおこないます。
養蚕室ではカイコ約30品種(原種)とヤママユガ2系統を系統維持しています。
その中でも古い品種は札幌農学校時代から100年以上維持しているカイコの品種も含
まれています。
ボランティア活動では、カイコの掃きたて(ふ化したカイコを飼い始める事)から上蔟
(糸を吐き繭を作る事)、交配・産卵までのカイコの一生を観察し、様々な品種の飼育
を経験することが出来ます。
また、カイコに与える桑の葉を収穫する作業と共に、桑の様々な品種や仕立ても学ぶことが出来ます。
ヤママユガの飼育は、北海道でも北大しか飼育していない貴重な昆虫で緑色の大きな繭を作り
ます。
ボランティア活動の内容
(事前に2時間程度の講習を受けていただきます。)
1. カイコ・ヤママユガの飼育(給餌と糞の始末)
2. 桑葉の収穫(枝を切り取り、枝から葉を外し、貯蔵庫に運ぶ)
3. 桑園の管理
4. その他、養蚕室に関する業務
活動時間
1. 午前9時から午前10時30分
2. 午後3時から午後4時30分
活動期間
6月1日から7月20日までの毎日(土日祝祭日を含む)
午前のみ、もしくは午後のみでも可
ローテーションによって休みは適宜入ります
募集人数
10名程度(応募者多数の場合は抽選といたします)
募集締め切り
5月16日(金)
講習日
5月中旬から下旬を予定
(日程は追ってご案内いたします)
講習申込フォーム

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大雪山で減少している高山植物は地下部が貧弱な種だった
2025年3月5日
雨龍研究林の小林真准教授は、当センター研究生の小林悠佳氏(研究当時 同大学大学院環境科学院修士課程)らとの研究グループが、気候変動の影響を受けやすい高山植物群落で絶滅リスクが高い植物種の特定に貢献しました。
詳細は本学プレスリリースでご覧ください

また、企業誌のインタビューで「それぞれが感じる自然と仕事変わったこと、変わらないこと」にコメントしました。
https://shiro-shiro.jp/client_info/SHIRO/infoimage/shiropaper/SHIRO-REPORT-2024.pdf

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NHK総合チャンネル「ダーウィンが来た!」で、取材協力をした番組が放送されます。
2025年1月14日
1月19日(日)NHK総合チャンネル「ダーウィンが来た!」で、取材協力をした番組が放送されます。

番組の中で超音波発信機によるタラバガニの追跡を担当しています。
ぜひご覧ください!
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北海道洋上風力アカデミーの勉強会が行われます
2024年11月28日
北海道における洋上風力事業と人材育成の展開を見据えた勉強会
昨年事業の調査結果を踏まえ、洋上風力に関する入門編として、網羅的な内容を中心に講演致します。
日時 2024年12月12日(木)13:00 – 16:00 (受付開始12:30)
開催方法 現地・オンラインのハイブリッド開催
会場 北海道大学クラーク会館講堂(札幌市北区北8西8)
※アクセス・館内マップは以下を参照ください。https://www.hokudai.ac.jp/bureau/property/clarke/access/
主催 北海道洋上風力アカデミーコンソーシアム
(構成員は国立大学法人北海道大学、石狩洋上風力合同会社、丸紅洋上風力開発株式会社)
定員 現地参加:最大500人(オンライン参加は無制限)
参加費 無料
参加申込方法:以下のフォームより参加者情報の登録をお願いします。※当日参加可能
https://forms.office.com/r/zeBPBpdNAz
対象:北海道内の教育機関・地元企業等の皆様(学生、企業人等)を対象としております。
お問合せ先:北海道洋上風力アカデミーコンソーシアム ML-HOA@marubeni.com


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余市果樹園にて公開イベントが開催されます
2024年10月15日
10月19日(土) 、余市果樹園 にて公開イベントを開催致します。

本イベントでは リンゴの収穫体験(要予約) や フィールドツアー(予約不要)、販売会(予約不要) 等が実施されます。
お誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください。
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【10/25(金)】「和歌山県古座川町×北大まるごと交流祭!!」 開催について
2024年10月4日
10月25日(金)、本センター和歌山研究林が主催者として関わる形で
「和歌山県古座川町×北大まるごと交流祭」が開催されます。

本催しは本学の広報・社会連携本部の主催のもと、道内の自治体と北大全体での連携による地域の課題解決・活性化への取り組みに向けた催し「自治体×北大まるごと交流祭」の一環として開催されるものです。
また、和歌山研究林は今から99年前の1925年に和歌山県古座川町で創設されて以来、一貫して古座川町との深い関係性を維持してきており、2018年には2者間で包括連携協定を結んでいます。
予定されているプログラムのうち
(2) 古座川町&和歌山研究林交流会 ~もっと古座川町の魅力を見つけよう!~
(3) 地域経営×大学ゼミ ~古座川町×北大の可能性を掘り下げる!~につきましては参加のお申し込みが必要ですので、お手数ですが下記URLにて必要事項をご記入のうえ、お申し込みください。
https://forms.gle/FR23b3Xr375wXVQy6
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【10/11(金)】「東胆振1市4町×北大まるごと交流祭!!」 開催について
2024年10月1日
10月11日(金)、本センター苫小牧研究林の共催で「東胆振1市4町×北大まるごと交流祭」が開催されます。

本件は本学の広報・社会連携本部の主催のもと、道内の自治体と北大全体での連携による地域の課題解決・活性化への取り組みに向けた催し「自治体×北大まるごと交流祭」の一環として開催されるものです。
予定されているプログラムのうち
(2) 東胆振&苫小牧研究林交流会 ~もっと東胆振の魅力を見つけよう!~
(3) 地域経営×大学ゼミ ~東胆振×北大の可能性を掘り下げる!~
につきましては参加のお申し込みが必要ですので、お手数ですが下記URL、または上のチラシ画像のQRコードより必要事項をご記入のうえ、お申し込みください。
https://forms.gle/riVrLXj4sEDaWzW9A
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RERECキックオフイベントがおこなわれます
2024年7月24日
REREC(リニューアブルエナジーリサーチ&エデュケーションセンター)開設に伴いキックオフイベントがおこなわれます。参加希望者は下記アドレスからお申し込みください。
https://forms.gle/nxojnd2iP4KJKRR4A

REREC(リニューアブルエナジーリサーチ&エデュケーションセンター)ウェブサイト
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河合正人准教授のどさんこと短角牛の記事を紹介します
2024年5月31日
一般社団法人北海道開発協会の広報誌「開発こうほう」のほっかいどう学で2回に渡りどさんこ(北海道和種馬)について書かれています(北海道情報誌 HO [ほ]は目次のみです)
2024 年 2 月号(通巻726号)北海道の馬~「どさんこ」の成り立ちとその特徴
2024 年 3 月号(通巻727号)北海道の馬〜「どさんこ」の保存と活用
北海道情報誌 HO [ほ] Vol.200 逸品探訪 北大短角牛(新ひだか)



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NHK北海道で苫小牧研究林の様子が放送されます
2024年5月24日
5月25日(土)午前7:55~8:00にNHK北海道の「0755DDチャンネル」という5分ミニ番組で苫小牧研究林でおこなわれている「すんでる魚を全部調べる 北大苫小牧研究林さかなまつり」が紹介されます。
放送後も「NHKプラス」の見逃し配信で一定期間配信されます。

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アマモ場の供給サービスを世界で初めて空間的に評価~持続可能な里海づくりへの貢献に期待~

2024年5月8日
生態系変動解析分野の宮下和士教授、南 憲吏准教授、朱 妍卉特任助教、及び同大学大学院環境科学院博士後期課程3年の伊藤慶造氏らの研究グループは、北海道立総合研究機構釧路水産試験場の園木詩織研究員、東京農業大学生物産業学部の千葉 晋教授、水産研究・教育機構の白川北斗研究員、西網走漁業協同組合の川尻敏文参事らとの共同研究により、世界で初めてアマモ場の供給サービスを空間的に評価しました。

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知内町と連携協定を締結詳細はプレスリリースから知内町と連携協定を締結

2024年5月1日
2024 年 4 ⽉ 10 ⽇(⽔)に、北⽅⽣物圏フィールド科学センターは、⼤学院⽔産科学研究院・⼤学院⽔産科学院・⽔産学部と共に知内町と連携協定を締結しました。
詳細はプレスリリースから

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「北大の実り チョコ&クッキー(余市産りんご)」が2024年4月30日(火)より北海道大学内売店ほかで新発売。
2024年4月17日
株式会社もりもと様と生物生産研究農場 余市果樹園で作られるりんごを使用して、チョコとクッキーにりんごのコンフィチュールを合わせたスイーツ「北大の実り チョコ&クッキー(余市産りんご)」を産学協働の取組みとして共同開発しました。2024年4月30日(火)より北海道大学内売店やもりもと新千歳空港店等にて新発売しますので、お知らせいたします。
プレスリリース https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240417_pr.pdf


余市果樹園紹介ビデオ
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ニュースレター29号が完成しました。是非ご覧下さい。

2024年3月28日
動植物エッセイ【クマイザサ】
森林圏ステーション 中川研究林 福澤 加里部
研究エッセイ【ハイブリッド】
水圏ステーション 臼尻水産実験所 宗原 弘幸
フィールドエッセイ【基本調査の大切さ~一本の木から始まる高精度マッピング~】
森林圏ステーション 札幌研究林 中路 達郎
新任教員紹介
耕地圏ステーション 生物生産研究農場 中野 有紗
水圏ステーション 生態系変動解析分野 朱 妍卉
北方生物圏フィールド科学センターへの要望【自然の驚異と学びの瞬間:フィールドワークの魅力】
大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター 橋本 武志(センター外運営委員)
編集後記
ダウンロードはこちらから
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植物園で小学生とその保護者向けの公開講座「冬の植物園ウォッチング・ツアー」を開講します
2024年1月24日
植物園では、3月2日(土)と3日(日)に小学生とその保護者向けの公開講座を開講します。詳しくは下記の募集要項または植物園ホームページをご覧ください。

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ニュースレター28号が完成しました。是非ご覧下さい。

2023年12月19日
動植物エッセイ【カバークロップについて】
耕地圏ステーション 生物生産研究農場 平田 聡之
Photo Gallery
研究エッセイ
水圏ステーション 室蘭臨海実験所 長里 千香子
新任教員紹介
耕地圏ステーション 生物生産研究農場 後藤 貴文
水圏ステーション 生態系変動解析分野 南 憲吏
水圏ステーション 七飯淡水実験所 萩原 聖士
森林圏ステーション 天塩研究林 大平 充
森林圏ステーション 苫小牧研究林 倉田 正観
フィールドエッセイ【家の前がフィールドに ~森林積雪のなかに住む微生物~】
森林圏ステーション 苫小牧研究林 植竹 淳
北方生物圏フィールド科学センターへの要望【檜山研究林について】
大学院農学研究院 玉井 裕(センター外運営委員)
編集後記
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雨龍研究林のミズナラ材が、大阪・関西万博のパブリックアートプロジェクトに提供されました
2025年4月23日
2025年4月13日(日)から大阪で開催されている「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」のパブリックアートプロジェクトの展示作品用に雨龍研究林のミズナラの原木を提供しました。
作品は白老町を拠点に活動する彫刻家国松希根太さんの「WORMHOLE」シリーズの最新作で、制作過程が映像化されていますのでご覧ください。
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静内研究牧場が紹介されたテレビ番組の情報
2025年3月4日
北海道放送(HBC)で、1月11日土曜日17時から放送の「あぐり王国北海道NEXT」で、静内研究牧場で生産される北大短角牛について取り上げられました。
本放送、TVerでの見逃し配信は終了してしまいましたが、以下のURL、HBC公式HPから放送内容は閲覧できますので、是非ご覧ください。
HBCのホームページURL、本編の内容紹介について
https://www.hbc.co.jp/tv/aguri/article.html?id=12992
HBCアナウンサーのコメント
https://www.hbc.co.jp/tv/aguri/article.html?id=12994
番組を観ていただいた方々からの感想、ご意見など
https://www.hbc.co.jp/tv/aguri/article.html?id=13015

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アマモ場の供給サービスを世界で初めて空間的に評価~持続可能な里海づくりへの貢献に期待~

2024年5月8日
生態系変動解析分野の宮下和士教授、南 憲吏准教授、朱 妍卉特任助教、及び同大学大学院環境科学院博士後期課程3年の伊藤慶造氏らの研究グループは、北海道立総合研究機構釧路水産試験場の園木詩織研究員、東京農業大学生物産業学部の千葉 晋教授、水産研究・教育機構の白川北斗研究員、西網走漁業協同組合の川尻敏文参事らとの共同研究により、世界で初めてアマモ場の供給サービスを空間的に評価しました。

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知内町と連携協定を締結詳細はプレスリリースから知内町と連携協定を締結

2024年5月1日
2024 年 4 ⽉ 10 ⽇(⽔)に、北⽅⽣物圏フィールド科学センターは、⼤学院⽔産科学研究院・⼤学院⽔産科学院・⽔産学部と共に知内町と連携協定を締結しました。
詳細はプレスリリースから

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苫小牧研究林がJR北海道の車内紙で紹介されました
2023年10月27日
JR北海道の車内紙「The JR Hokkaido」10月号の特集「北の森を究める」に紹介されました。
記事はウェブサイトでご覧になれます。

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雨竜研究林にてジェットスター・ジャパンが植樹しました
2023年10月20日
10月10日雨龍研究林において格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが旭川空港就航を記念して植樹を行ないました。
これは、認定 NPO 法人 環境リレーションズ研究所の森林再生プロジェクト Present Tree に賛同したジェットスター・ジャパンが、旭川就航を記念した「ジェッ太の森」創設イベントとして実施されたものです。植樹にはニック・マッグリン取締役会長他ジェットスター社員 15 名が参加して、アカエゾマツの苗木約 200 本を植えました。




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七飯淡水実験所の未利用魚で新たな製品が発売されました
2023年7月15日
七飯淡水実験所では、研究用に養殖しているサケマス類のうち、使われなくなった未利用魚を地元企業の協力で「北大トラウト」として商品化販売することになりました。これにより廃棄処分していた未利用魚を食品として活用することで、新たな資源として有効利用することは本学が目指すSDGsへの貢献に一役買うことが出来ました。
未利用魚と言うことで生産数は多くはないのでいつでもどこでも買えるわけではありませんが、現在札幌市北3条広場(アカプラ)でおこなわれているHBC赤レンガプレミアムフェストで購入できます。
期間は7月14日(金)~17日(月)10:00~19:00となっていますのでこのチャンスをお見逃し無く。また同時に北大短角牛のコンビーフとビーフジャーキーも合わせて販売されます。



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Hakodate Marine Festival 2023 明日から開催

2023年7月14日
明日から2日間(令和5年7月15日(土)・16日(日)の2日間)、函館市国際水産・海洋総合研究センターで函館マリンフェスティバル2023が行われます。同センターに入居しております生態系変動解析分野でも、水中ドローン(水中ROV)や、魚群探知機を用いたスルメイカの行動観測に関連し、調査機材を用いた実演を行います。
写真の通り、スルメイカはまだ水槽に入っておりません。函館近海の採れたてのスルメイカが入ってくると思われます(スルメイカの入手、並び、水槽への投入については、今回は関わってはおりません。)が、このような規模で、スルメイカの群泳を見ることのできる機会は、通常は、あまりないものと思われます。
以下は、業務連絡ですが、本分野で研究をされたいと考えている函館在住の学生にとっては、研究室を決めるにあたり、参考の一つとなる展示であると思われるところです。
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北大植物園は公式ツイッターを開設しました
2023年4月29日
植物園公式ツイッターを開設しました。最新の見ごろ情報等をお届けします。ぜひご利用ください。
https://twitter.com/HokkaidoUniv_bg
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植物園は4/29より開園しました
2023年度の夏季開園が、4/29(土・祝)より始まりました。また5/4(木・祝)は4年ぶりに「みどりの日」無料開園を行います。皆様のご来園をお待ちしております。

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生物生産研究農場産の鶏卵をホテルの朝食メニューに提供
2023年4月10日
生物生産研究農場(農場)で生産された鶏卵が、4月1日より期間限定で京王プレリアホテル札幌の朝食メニューとして提供されています。
これは北海道大学の卒業・入学を記念し、農場で生産する鶏卵を「北海道大学卒業卵」と称し、創作されたメニュー3品を朝食ブッフェにて1品ずつ日替わりで提供するものです。
メニューは、オードブルが「北海道大学卒業卵のエッグベネディクト プレリアスタイル」、メインは「北海道大学卒業卵のロワイヤル ブイヤベース仕立て」、デザートは「北海道大学卒業卵の生フレンチトースト」です。
この取り組みは2021年6月から農場の「北大牛乳」を用いた朝食定番スイーツや、2022年7月に静内研究牧場の「北大短角牛」を用いた限定メニュー、2022年11月に農場や余市果樹園の野菜や果物などの「北大食材」を組み合わせた限定メニューなどのシリーズの一環で、京王プレリアホテル札幌を通じて本学のフィールドで生産された食材の情報発信を継続的に行っています。
今後も北方生物圏フィールド科学センターでは、フィールドで産出される資源を高付加価値で有効活用に取り組んでいきます。

「北海道大学卒業卵のエッグベネディクト プレリアスタイル」
半熟にボイルした北海道大学卒業卵を、手作りプレリアマフィン(同卵・北大牛乳・道産トウモロコシ使用)に挟み、道産生ハムを合わせ、石狩の宮北農園産トマトを加えた特製オランデーズソースをかけた一品

「北海道大学卒業卵のロワイヤル ブイヤベース仕立て」
北海道大学卒業卵を使用したロワイヤル(洋風茶碗蒸し)と、道産ホタテ(噴火湾)と黒ガレイ(厚岸産)にビスクを加えたブイヤベースを合わせ、石狩ニンニクで香りづけした濃厚な北大牛乳で作った泡のソースをかけた一品

「北海道大学卒業卵の生フレンチトースト」
北海道大学卒業卵を使用したスフレシフォンで生触感を生かしたフレンチトーストを、同卵や北大牛乳、生クリーム、グラニュー糖を使ったアパレイユ(卵液)に12時間漬け込み、北大ミルクアイスクリームをのせ、上から塩キャラメルソースをかけることで濃厚な味わいとフワフワの触感を楽しめる一品。なおスフレシフォンはメレンゲをたっぷり混ぜ込んでスフレとシフォンの中間の食感で、このフレンチトースト専用に焼き上げました。



プレスリリース https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230316_pr3.pdf
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りんご販売会のお知らせ
2022年10月19日
北海道大学・北方生物圏フィールド科学センター・生物生産研究農場・余市果樹園では、実習教育や研究のため、20品種以上のリンゴを栽培しています。
一昨年、昨年と大好評の販売会を、今年も北大マルシェで実施します!
この機会にぜひ、お買い求めください!
【日時】2022年11月5日(土)・6日(日)
いずれも10時~13時
【場所】北大マルシェCafé&Labo
札幌市北区北9条西5丁目
北海道大学百年記念会館
【入場】無料 (レジ袋は有料です)
【HP】https://www.marche-cafelabo.com/
※駐車場なし・マスク着用にご協力ください

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- 耕地圏ステーション
公開プログラム「北の大地でSDGsを考える」参加者募集中
2022年8月30日
生物生産研究農場では、全国大学の学部生・大学院修士生を対象に、耕地圏ステーション公開プログラム「自然に挑む北海道農業」を行います。大都市札幌の都会のビル群を背景にした農場で、農業と自然の調和を考えてはみませんか。
プログラム詳細 https://agroecosystem.wixsite.com/website/2022プログラム詳細part2 申込先 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd1RDT_YO9L1tSaxRDvXP5pQUV98rvE84UJWVScxUB-czhRaA/viewform

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Newsletter #26-4 北方生物圏フィールド科学センターへの要望
2021年12月20日
大学院水産科学研究院 研究院長 木村暢夫(センター外運営委員)

北方生物圏フィールド科学センター(以下、「FSC」)のセンター外運営委員を務めて今年で8 年目となります。私の専門は水産工学(当初は漁船運用学)で、学生時代を含め40年以上水産学部で過ごしてきました。2001年、大学院重点化に伴い水産学部附属の3施設が学内共同教育研究施設に転換される以前、私は学生、教員時代を通し、学科の実習や自身のフィールド実験等でよく臼尻水産実験所を使わせていただきました。同じく、他学科の学生、教員は七飯養魚実習施設や洞爺臨湖実験所での実習や実験でお世話になっていました。思い返せば、学生と教員が一緒に寝泊まりし、飲み交わしながら夜遅くまで議論を行った実習が一番記憶に残っています。たまに同窓と話す時も、よくフィールド実習の話で盛り上がります。学部改組等で、こういった実習はなくなりましたが、水産学部・水産科学院の教育・研究を行う上でFSCとの協力関係は不可欠です。現在、水圏ステーションの多くの教員には、水産学部の兼担等で学部教育に参画していただき、学科の担任や学生の卒業研究の指導を行っていただいています。また、水産科学研究院から、数名の教員が流動教員としてFSCに参画しています。
北海道大学は、創基150年に向け「世界の課題解決に貢献する北海道大学へ」と題した近未来戦略を掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む姿勢として、Think Globally, Act Locallyという行動規範を唱えています。SDGsの14番目の目標では「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」と謳われおり、水産学部・水産科学院が教育・研究において掲げる「持続可能性水産科学」はこの開発目標に合致するものです。FSCは、理念に「持続的な生物生産」を掲げており、水圏というフィールドで目指すべきベクトルは同じです。定員削減等で教員数が減少する中、教育の国際化、地域問題への対応、さらに研究のクオリティーアップと様々な改革が求められており、今まで以上に連携を推進していく必要があると思われます。
水産学部にとって水産・海洋というフィールド教育・研究を行う上で、附属練習船は不可欠です。現在3代目となる小型の練習船うしお丸の建造中で、来年就航を予定しています。2014年竣工した練習船おしょろ丸と合わせ、沿岸域から遠洋域までの海洋環境や水産資源の調査研究体制が整うことになります。地球温暖化等で、水圏に関する調査研究の重要性が高まる中、練習船を活用し協力してSDGsの実現に貢献して行きたいと思います。
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Newsletter #26-3 木材の色はどのようにして決まるのか?-産官学連携の取り組み

天塩研究林 小林 真

皆さんも、木材でできた製品をお持ちだと思います。もしかしたら、読者の中には樹種や国産の木材にこだわって自宅を建てたという、羨ましい方もいらっしゃるかもしれません。では皆さんは、なぜ他の材料ではなく、木材でできた物を選ばれたのでしょうか。木材は加工性に優れた材料です。しかし、しばしば1ユーザーである私たちは、加工のしやすさよりも、単純に「見た目がきれいだから」という理由で木製品を選ぶことがほとんどだと思います。では、その“見た目”は、どのような要因で決まっているのでしょうか?私たちの研究グループは、木材の“見た目”を大きく左右する“色”の謎に迫るべく研究をはじめました。
ことの始まりは、東川町で制作活動をされている1人の家具作家さんの一言― 「同じ中川町産のオニグルミでも、伐採する年によって黒みが強いものが混ざる」。木材の色の違い…ホームセンターでも、パイン材、タモ材などが売っていて、樹種が違えば木材の色も違うことは容易に想像できます。しかし、同じ樹種でも、その木材の色がかなり違うことがあるのです。そして注目すべきは、色の違いで、同じ樹種でも木材として値段が大きく異なることです。良質な広葉樹材が取引される銘木市における“ある月”の取引では、同じウダイカンバという樹種の木材でも、心材の色が薄いピンクだった場合には1㎥あたりで48,000円で落札されたのに対し、赤かった場合には、89,000円という値段がつきました。色によって2倍以上の値段がつく木材の色を制御している要因が明らかになれば…。一攫千金の匂いがしてきました。
文献調査を始めてみると、国内において高価格で取引されることが多い広葉樹を対象に、”一つの町”という狭い範囲で木材の色がどのような要因で変化するのかは、明らかにされていませんでした。前出の家具作家さん曰く「同じ樹種でも木材の色が大きく異なってしまうのは、制作活動を行う上で悩みの種」なのだとか。展示会などで「色味が気に入ったので、このテーブルをください」とオーダーがあったとします。しかし、別の板を使ってテーブルを作ると、同じオニグルミ製でもその色合いが展示会で見たものと色味が大きく異なってしまう可能性があるのです。少なくとも、どのような場所の樹木を伐採すればどのような色の木材が取れるのかさえ分かれば、生産する作品の色を調整する一助になります。そこで私たちは、当センターと包括連携協定を結んでいる中川町役場、中川町内にある林業会社、森林総合研究所や東京農工大の研究者、そして前出の家具作家という多様なメンバーからなる“産官学の連携チーム”で調査をはじめました。
北海道では樹木の成長は土壌中の養分量で規定されているので、オニグルミの木材の色にも土壌養分が関係しているのではないかと予想を立てて研究を進めました。様々な土壌条件の状態を調べた結果、植物が土壌から吸収可能なマグネシウムの量によって、オニグルミの木材(心材部分)の色が決まっていることがわかりました。土壌中のマグネシウムの量が多い場所に生えているオニグルミの木材は、黄緑色っぽい木材になることがわかったのです。植物が利用可能な土壌中のマグネシウムの量によって、木材の色味を決める心材物質(フェノール性の物質)の量や発色程度が変わり、木材の色の違いへつながっていると考えられます。地域産業の現場の方の疑問をきっかけに、実学的はもちろんのこと、基礎科学的にも意義のある課題について産官学連携でとりくむスタイルは、SDGsで掲げられた、産業基盤の形成や、森の恵みに代表されるような陸の豊かさを保全する上で大事なフレームワークであると考えます。

鬱蒼とした藪の中、切り株までの道無き道の案内をしてくれるのは、地元の林業会社のレジェンド(a)。
そして苦労して得られた土壌サンプル(b)。

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Newsletter #26-2 サルナシ

生物生産研究農場 星野 洋一郎
『キウイフルーツをいつ最初に食べたかで年代が分かる』(ただし昭和に限る)という自説を唱えています。私がキウイフルーツをはじめて食べたのは小学生の頃です。梨や林檎、杏など、庭になる果物に夢中になっていた時に、どこからかいただいたキウイフルーツの放つ南国風の(当時はそう感じた)爽やかで芳醇な香りに魅了されました。5人きょうだいへの配分を考慮し、母の巧みな包丁捌きで得た果実切片(輪切り)のひとかけらの割当を大事に食べながら、いつか思う存分キウイフルーツを食べてみたいとの思いを募らせていました。そんな気持ちを知ってか、あるいは偶然か、父が貴重な苗を入手し、庭のブドウ棚の一員に加えてくれました。群馬の寒村にはいくらでもスペースはあったのです。ほどなくして、たわわに実った果実を丁寧に包丁で半分に切り、スプーンで飽きるまで堪能しました。
キウイフルーツの学名 Actinidia deliciosa を知ったのは大学の研究室に入ってからで、その美味しさが学名になっていることから、自分の舌の確かさに大いに満足しました。この近縁種は日本にも自生しており、DREAMS COME TRUEの「晴れたらいいね」の一節に登場する“コクワ”で知ることになります。このコクワとはサルナシのことで、きっと、ドリカムの故郷、北海道に来たら、たくさんサルナシがあるに違いないと信じたのでした。
この信心が通じたのか、北海道に来てからたくさんのサルナシと出合うことができました。どのような多様性があるのか、研究林にお世話になり、その多様性を調査してきました(Asakura and Hoshino, 2010)。サルナシは、現在、ベビーキウイ、あるいはキウイベリーとして世界的なブームになっています。キウイフルーツより味が濃く、皮に毛がないので食べやすい、大きさも小ぶりでちょうどよく、魅力的な性質を備えています。味も多様で、北海道の遺伝資源は育種素材としても興味が持たれています。この秋、学生が静内でサルナシを食べさせてもらったらしく、『マスカットの味がした!』と喜んで報告して、私を悔しがらせました。美味しいサルナシを見つけたら、ぜひご一報ください。

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Newsletter #26-1 研究エッセイ
苫小牧研究林 岸田 治
自分たちのフィールドでしかできないようなことをしたい。フィールド施設に所属する人なら誰しもが考えることであろう。現在、苫小牧研究林で私が行っている河川性サケ科魚類の個体追跡モニタリングは、まさにこの思いを現実にしたプロジェクトである。このプロジェクトは、サケ科魚類の生態研究で顕著な業績をあげてきた森田健太郎さん、コロラド州立大学の菅野陽一郎さん、私が指導する大学院生の二村凌さん、そして苫小牧研究林の技術職員・森林技能職員(以降、技術スタッフ)の皆さんとともに立ち上げた。研究林内を流れる幌内川の約5kmの流程で、数千尾のサケ科魚類を個体識別し、生活史と行動を徹底的に調べるという大胆な試みである。
魚の個体識別は、PITタグ(passive integrated transponder tag)とよばれるICチップを体内に埋め込むことで行う。PITタグは優れもので、専用のアンテナがあれば30cmほど離れたところから感知できる。アンテナのタイプは複数あり、目的に応じて使い分ける。例えば、魚がどこにいるかを調べる際には、持ち運び型のアンテナを使う。爆弾探知機のごとくアンテナを振りながら川を歩きまわると、PITタグの持ち主のいる場所を特定できる(写真1)。魚の移動を調べるには、河川を横断するように設置した固定式のアンテナで使う(写真2)。このアンテナは、JRや地下鉄の改札機が乗客のICカードを探知するのと同じ仕組みで働く。PITタグを装着した魚個体がアンテナを通過するとIDと時間が端末に記録されるため、魚の移動を年中昼夜を問わず調べられる。


このプロジェクトは、仮説や予測がないなかでスタートした。どんな成果が得られるのか明確な見通しがないにもかかわらず、開始する決断に至ったのは、苫小牧研究林の技術スタッフがいたからだった。探索研究の成功の鍵は努力量にある。たくさんの魚を丁寧に調べ、質の高いデータを大量に得ることができたら、必ずや発見があるだろう。北大研究林の技術スタッフは、馬力があり、作業が丁寧なのだ。作業効率を上げるための工夫も忘れない。彼らがサポートを約束してくれたからこそスタートできた。
毎年、春と秋には5,320mの調査流程全体での採捕調査を行う。この大規模な採捕調査は「魚祭」と呼ばれ、苫小牧研究林の目玉イベントとなっている。まず、10mごとに区分けされた流程で、採捕者が電気ショッカーを使って魚を捕獲する。捕獲した魚はバケツに入れ、近くの林道に停めてあるトラックの荷台まで運ぶ。トラックの荷台には、常時6~7名の作業者が待ち構え、魚の麻酔、PITタグの確認や装着、体長・体重測定、写真撮影、遺伝サンプルの採取などの作業を分担する(写真3)。一連の作業が終わると、魚を麻酔から覚醒させ、もといた場所に放流する。採捕調査は始業時刻と同時にはじめ、終業時刻ぎりぎりまで行う。それでも1日で0.8~1.2kmの区間の調査が限界なため、5kmを超える全区間の調査を終えるには、5日以上かかる。作業がスムーズに進むように、人員配置から小道具まで細部に渡り工夫が施されている。洗練された調査体制と使いやすい道具類のおかげでミスはめったに起こらないし、起こったとしてもすぐに発見できるため、痛手にはならない。決して楽な調査ではないが、和気あいあいと作業ができるうえ、大量のデータを取っているという実感もあり、充実している。魚祭は一連の作業が体系化されていることから、生物調査法を学ぶ良い機会にもなる。今年度からは、魚祭を対象とした教育プログラムを開催し(教育拠点事業フィールドトレーニング「大規模魚類調査」)、学内外の大学生・大学院生を受け入れ、生物調査の基本と創意工夫を学んでもらっている。魚祭の他に、毎月一回、持ち運び式のアンテナで魚の居場所を特定する調査も行っている。大学院生と技術スタッフが2日かけて全区間を歩き調査する。魚の移動をモニタリングするための固定式アンテナは上流から下流にかけて計6箇所設置してある。下流のアンテナでは、川と海を行き来する個体を調べることができる。例えば、一部の個体が海に降るサクラマスでは、どの個体がいつ海に向かったのか、そして、1年後どの個体が海から無事帰ることができたのかも調べられる。固定式アンテナは、年中、昼夜を問わず稼働するが電力供給のためのバッテリーの交換作業とアンテナのメンテナンスが欠かせない。これも技術スタッフが毎週行ってくれる。以上、苫小牧研究林で私が実施している一大プロジェクトを紹介させてもらった。プロジェクト開始から3年、いよいよ皆の努力が実り、成果があがりはじめている。ここでは解説する余裕はないが、論文やプレスリリースを通して発信するので、今後にご期待いただきたい。

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Newsletter #25-6 天塩研究林を訪ねて

2021年7月14日
大学院農学研究院 西邑 隆徳(センター外運営委員)
観測タワーのトップまで登ってきた.目の前で風速計のカップが勢いよく回っている.雪に被われた丘にブラシを逆さに刺したような樹々が眼下に見える.数百メートル先の丘はグラデーションとなって雪空に溶け込んでいる.
北海道大学の広大で多様な研究林に関心を持たれている竹中工務店の皆さんを天塩研究林に案内するというので,佐藤センター長にお願いして私も一緒に連れて行ってもらった.学生の時に訪ねて以来,40年ぶりである.
3月末,少し春らしくなってきた札幌を後に,特急宗谷で名寄を目指した.旭川を過ぎると,まだ冬と言わんばかりに雪が降ってきた.名寄駅に着くと,研究林の方々が迎えに来てくださっていた.マイクロバスに乗車し,佐藤先生から研究林の説明を聞きながら,天塩研究林に向かった.途中,昼食に立ち寄った天塩川温泉保養センターで食べた真っ黒な音威子府蕎麦はたいそう美味かった.
天塩研究林に到着すると直ぐに合羽を着込み,バスで人工林伐採現場に移動.最近導入されたという高性能林業機械による伐採作業を見せていただいた(写真1).フェラーバンチャでの立木伐採,プロセッサによる枝払い・即尺・玉切り,フォワーダでの集材.お見事.想像以上の迫力,スピードに驚いた.チェーンソーでの作業とは比べものにならない.森林の香りが,湿った雪の中を漂って来る.やはり現場は好きだ.

写真1;高性能林業機械の説明を受ける訪問者(竹中工務店の皆さん他)
私の専門は畜産で,FSCの農場や牧場を教育研究で利用させていただいている.30年ほど前に,前職(道立畜産試験場)から大学に助手として戻って来たところ,食肉製品の製造実習を受け持つことになった.当時,肉製品・乳製品の実習施設は,北18条の獣医学部の北側にあり,技術職員が4名いた.学生の頃からお世話になっていた年長の技術職員にとっては,新米助手の私はヒヨッコ同然.それまで実習を担当されていた森田潤一郎先生からは,「これからはお前がやれ」と一言.学生時代に受講した肉製品製造実習ではハムやソーセージを試食することだけが楽しみで,ハム作りの工程など全く頭に入っていない私にとっては,初年度の実習は冷や汗だらけだった.技術職員のご協力のおかげで,そんな私でもなんとか,その後10年間,後輩教員にバトンタッチするまで,実習を続けてこられた.学生たちは,親豚の分娩に立ち会い,生まれてきた子豚を哺育・育成し,農場の畑で採取したトウモロコシ等を用いて調製した配合飼料を給与して肥育し,その豚をと畜・解体して肉や内臓,皮,血液等を材料に食肉製品を製造する.動物生体内での筋形成・肥大機構および筋タンパク質の性質を利用した食肉加工原理を講義で学びながら,座学と並行して行う実習では豚の成長および豚肉の加工技術を五感で体得する.日本国内では北大でしかできない食肉製品製造実習に誇りを持って,技術職員とともに関わることができた日々は,私の大学教育経験の中で最も貴重なものの一つとなっている.
伐採現場を後に,森林の炭素吸収量を長期測定している観測タワーを見に行った.バスで林道入口まで移動し,そこからは雪上車とスノーモービルに分乗して現地に向かった.私は,高木先生の運転するスノーモービルの後ろに乗って出発.私が運転したくてムズムズしているのを見越してか,高木先生は途中で運転を交代してくださった.40年近く前になるが,宗谷丘陵で肉牛生産事業を開始するため,そのパイロット牧場(現在は宗谷岬牧場)によく調査にでかけた.宗谷岬の郵便局辺りから丘陵上の牧場に上がるのだが,厳冬期は雪で路が閉ざされており,スノーモービルで牛舎詰所まで荷物を運んだ.牛の行動調査の際にもスノーモービルをよく使っていたので,たいへん懐かしかった.
観測タワーに着いて見上げると,高い.「誰か登ってみませんか」に直ぐに手を上げた.フルハーネス安全帯を付けてもらい,鉄塔の狭い階段を慎重に登り,なんとかテッペンに到達した.ナントカと煙は・・・のナントカである(写真2).樹々を上から見下ろすアングルは面白い.この観測タワーでは,植林カラマツの生長に伴う森林炭素吸収量の変化を長期モニタリングするのだという.数秒ごとに測定されるデータが数十年間に渡って蓄積され解析されて,未来の人たちが生きる地球を救う.地道で壮大な研究である.

写真2;観測タワー頂上にて.左から阿部URAセンター長,筆者(西邑),竹中工務店の中嶋さん.
「比類なき大学」と寳金総長は言う.
「比類なき大学」は何において比類ないのか.「何において」が重要である.北海道大学が有する研究林,研究牧場,研究農場,植物園,臨海実験所等は広大で多様性に富み,世界的にも比類なき教育研究フィールドであろう.このフィールドを活用した実学教育や異分野融合先端研究の「光」は「北」から「世界」へ,その輝きを放っている.しかし,この「比類なきフィールド」に一度も足を踏み入れることなく北大を卒業・修了していく学生は多くいる.4,500人に及ぶ教職員のうちフィールドを訪れたことがある者は何人いるだろうか.農学研究院の教員ですらFSCフィールドに行ったことのない者は少なくない.北大のフィールドの「光」は,「世界」に届くと同時に,「地域」をどのように照らしているだろうか.札幌農学校開校当時のフィールドイズムは,SDGsが叫ばれている現在の北海道大学で,どのように持続的発展を遂げるのであろうか.40年ぶりに訪れた天塩研究林を後に,帰札する汽車の中で,そんなことを考えていた.
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Newsletter #25-5 新任教員紹介

2021年7月6日
森林圏ステーション 苫小牧研究林・准教授 植竹 淳
経歴: 群馬県出身。東洋大学生命科学部卒、東京工業大学生命理工学研究科修了。博士 理学。国立極地研究所研究員、コロラド州立大学研究員を経て、令和3年2月より現職。
苫小牧研究林に2月から准教授として勤務しております植竹淳です。私は、これまでに微生物に着目した研究、とくに『環境変動と氷河微生物』、生態系や気象に影響を与える『大気中を浮遊する微生物』に関する研究を行ってきました。
氷河の上で増殖する微生物群は、互いに集合し、土壌のように黒っぽい腐食物質を形成することで真っ白な氷の表面を黒く変化させてしまいます。そして黒くなった氷河は、太陽の光を効率よく吸収し、氷河が融けるのを劇的に加速させてしまいます。そうすると融解した大量の淡水が海に注がれるので、海水面の上昇や海洋の循環などにも影響を与えるのではと懸念されています。それなので、この中にはどのような微生物が生息しているのか、またどんな環境で大増殖を引き起こすのかをテーマとして、様々な生物を顕微鏡から次世代シーケンサーまで様々な方法を使って研究してきました。グリーンランドでは、特定の遺伝子型のシアノバクテリアが非常に多く生育していること、人間活動で排出された窒素や、氷河周辺の鉱物から供給されるリンなどが増殖をコントロールしていることがわかってきました。

微生物で黒く汚れたグリーンランドの氷河
地理的に全くかけ離れている氷河で微生物の遺伝子解析をしていると、両者に共通した(特定の短い)遺伝子が全く同じ微生物が見つかってきます。これが北極とアフリカの高山で共通してしまうので、大気を漂ってきたのではないかと思うようになり、大気中を漂う生物(バイオエアロゾル)の研究も行ってきました。バイオエアロゾルは健康、生態、気象に大きな影響を与えるにもかかわらず、実はその実態はほとんど明らかにされてきませんでした。そのため人々に大きな影響を与えうる東京上空、逆に世界中でも汚染が最も少ない地域であるオーストラリア大陸から南極大陸に至る海域(南大洋)で研究を行ってきました。その結果、多くのバイオエアロゾルは比較的近距離から飛来していること、また陸では湿度と風速といった気象要因がバイオエアロゾルをコントロールする要因となっていることがわかってきました。

生物の種類に特有の遺伝子領域のデータを生態学に利用をするアプローチを環境DNA研究と呼びます。微生物と環境変動について調べたかった私は全く意識していなかったのですが、私がやっている研究(特にバイオエアロゾル)はまさに環境DNA研究であることに気がつき、今後の研究ではあえてそこを意識しながら進めていこうかと思っています。例えば森林内では、空気のみならず、土、川、池、動物、植物に由来する微生物の遺伝子を同時に集めてくることで、森林内部で空気を介してどのように微生物が拡散しているのかをみて取れるのではないかと期待しています。バイオエアロゾルは様々な環境で影響を与えているので森林圏のみならず水圏、耕地圏のみなさんとも一緒に研究できるのではないかと考えております。これからよろしくお願い致します。
海洋でのエアロゾルサンプリング
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Newsletter #25-4 知床菫

耕地圏ステーション 植物園 東 隆行

ニュースレター11号のエッセイではヤナギの1種、ケショウヤナギを紹介しました。実は、研究を進めていくとヤナギとスミレは親戚のような関係であることがわかってきましたが、それはまたの機会にお話しすることにして、今回はスミレの話をします。
皆さんはシレトコスミレというスミレをご存知でしょうか? すみれ色といえば紫色を想像するように、スミレの仲間の多くは紫色の花、白色の場合でも花弁の一部は紫色をしていますが、日本の多雪地帯には花弁が黄色のスミレが生育しています。中でもシレトコスミレは花弁が白色で中心部が黄色の変わった取り合わせをしています。このスミレ、その名の通り北海道の知床山系と、択捉島の西単冠山にだけ生育が確認され、滅多にお目にかかれません。しかも残念なことに、心無い人の踏みつけや園芸目的の盗掘、さらにはエゾシカによる食害によって個体数が減少していて、北海道の希少種に指定されています。
このスミレ、当初はタチツボスミレの仲間の新種として記載されましたが、のちに外見が似ているタカネスミレの変種として扱われました。一方で、このスミレの花柱(雌しべの先の伸びた部分)が棒状をしていることから、オセアニアに産するツタスミレの仲間とする説も出されました。さらには、スミレ属の中ではどの仲間とも離れている独立した分類群として扱う説も出ています。このように、このスミレがどのスミレに近縁なのかについては、意見が分かれていてはっきりわかっていませんでした。
このように、形態形質から考えられた分類に異論がある場合には、分子系統解析が威力を発揮します。そこで、よく調べられている葉緑体上の遺伝子領域を用いて、シレトコスミレに近縁と考えられた分類群を網羅して系統解析を行ったところ、シレトコスミレは近縁と考えられた全ての分類群を含む単系統群の姉妹群になりました。つまり、上記の諸説に関しては最も後者の説が支持されたことになります。シレトコスミレは、花の色も、分布の上からも、分類学上でも珍しいスミレと言えそうです。
シレトコスミレは、例年7月上旬に知床山系の硫黄山でその可憐な花を見ることができます。登山道は長く岩場も多いので、登るのは結構きついですが、その花を見ればそれまでの苦労も吹き飛んでしますように思うのは、私だけでしょうか? 今はコロナ禍で出かけるのも気が引けますが、この騒ぎが収まったら、この珍しいスミレに会いに硫黄山に登ってみてはいかがでしょうか。
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