(締め切りました)【和歌山研究林】「北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念 探索ツアー」開催のお知らせ(応募〆切:2025年5月7日㈬)
2025年4月1日
※ご好評につき、各日とも定員に達しましたため、募集を終了いたしました。
多数のお申し込みをいただき、誠にありがとうございました。次回の機会にぜひご参加いただけますと幸いです。(2025年4月24日)
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター和歌山研究林は2025年3月、創立から100周年を迎えます。
普段は、森林に関する研究のためや大学生を始めとした学生たちの教育のために利用されている当研究林。日頃の感謝を込めて、一般の方をご案内するガイドツアーを開催いたします。
[北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念]
南紀熊野 神秘の森と里の暮らし
~北海道大学 和歌山研究林 探索ツアー~
里山の美しい風景や暮らしの実情、紀南地域ならではの照葉樹の森を五感を使って体験し学べるツアーです。
和歌山県・古座川の源流にある人口約60人の小さな集落・平井にある研究林庁舎からスタート。里山での暮らしを辿りながら細道を歩いて研究林に向かいます。森の中で川のせせらぎを聞きながらひとやすみした後は、いよいよ、普段は研究に使用されるモノレールに乗って「大森山保存林」に入ります。そこは訪れる人々を虜にしてやまない、北大が百年に亘り見守り続けてきた手つかずの天然林。苔むした岩、清流の水音、鳥のさえずり、深い緑の木々が織りなすその森は、現実世界とは一線を画した空気をまとっています。
ご案内するのは、林業だけでなく、学生の教育や研究者のサポートに日々携わり、誰よりもこの森を知る北大研究林職員。今回、特別にみなさまをご案内します。
ツアーの詳細については、和歌山研究林Webサイトをご覧ください。
【イベント情報】「北海道大学 和歌山研究林 創立100周年記念 探索ツアー」開催のお知らせ(応募〆切:2025年5月7日㈬) – 北海道大学 和歌山研究林
日時:2025年 5月17日(土)・18日(日)
〈各日〉9:00~15:30(受付開始 8:30)
料金:8,000円/人
募集人数:各日12名 *1
対象:小学4年生以上
集合場所:北海道大学 和歌山研究林 庁舎
(〒649-4563 和歌山県東牟婁郡古座川町平井559)*2、*3
持ち物・服装:お弁当、飲み物、歩きやすい靴等
申込先:以下のGoogleフォームよりお申し込みください。
*1:応募数が3名に満たない場合、実施を中止することがあります。その場合は5月9日(金)までに中止の旨をご連絡します。
*2:ご希望の方は周辺JR駅等への送迎いたします。詳細は応相談。送迎希望はお申込フォームにご記載ください。
*3:現在、国道371号線 大原平橋から北に500m区間は土砂崩れ発生のため常時通行止めになっていますのでご注意ください。

フライヤーデザイン:北大デザインサークル+Dtips 関口敦仁 安田萌々花
【お問い合わせ先】
北海道大学 和歌山研究林
MAIL:wak-jim@fsc.hokudai.ac.jp TEL:0735-77-0321
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全国の大学生 参加者募集 体験実習「南紀熊野の自然と人々のくらし」
2017年11月16日
南紀熊野の清流・古座川、その最奥部に落ち武者が開いた小さな集落があります。北海道大学・和歌山研究林はその地に90年以上前に開設されました。この実習では研究林に滞在しながら、熊野の自然、そして過去から現在の暮らしや文化を体感します。
本実習は北大の教養科目(全学部対象)ですが、他大学生の受講を受け付けています。参加を希望される方は下記までメールにてお申し込み下さい。
詳細は画像をクリック
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一般公開「和歌山研究林の歴史的建造物と照葉樹天然林」を開催します(2017年10月20日)
2017年10月6日
北海道大学和歌山研究林の本館は、2013年3月29日に国の登録有形文化財に指定され、また森林は県立公園の特別保護地域に指定されました。
これらの歴史的建造物、そして貴重な森林環境の見学ツアーをします。
日時:2017年10月20日(金)午前10時30分~午後4時30分
場所:北海道大学和歌山研究林 古座川町平井559番地
定員:20名(先着順)
参加費:無料
お問い合わせ:北海道大学和歌山研究林 電話:0735-77-0321
詳細については、和歌山研究林ホームページをご覧下さい。
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一般公開「和歌山研究林の歴史的建造物と照葉樹天然林」を開催します。
2016年9月9日
募集定員となりましたので申込受付は終了しました
北海道大学和歌山研究林の本館は、2013年3月29日に国の登録有形文化財に指定され、また森林は県立公園の特別保護地域に指定されました。
これらの歴史的建造物、そして貴重な森林環境の見学ツアーをします。
日時:2016年10月21日(金)午前10時30分~午後4時30分
場所:北海道大学和歌山研究林 古座川町平井559番地
定員:20名(先着順)
参加費:無料
お問い合わせ:北海道大学和歌山研究林 電話:0735-77-0321
詳細については、和歌山研究林ホームページをご覧下さい。
ポスター:20161021-ippankoukai.pdf
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公開講座開催のお知らせ
2016年6月30日
申込受付は終了いたしました
2016年度 北海道大学・公開講座のお知らせ
和歌山研究林では、小学校4年生~6年生を対象に、下記の日程で公開講座を開催致します。
何れも申込期間は、7月1日~8月1日ですが、先着順となっておりますので早めにお申し込み下さい。
1.親子木工教室 8月7日(日) 10時~12時(最大17時まで) 10組
2.世界に一冊だけの「オリジナル樹木図鑑」を作ろう! 8月20日(土) 9時~15時 20名
3.森のたんけん隊-古座川編- 8月23日(火) 9時~15時30分 20名
4.森のたんけん隊-古座川編- 8月24日(水) 9時~15時30分 20名
申込方法などは、7月1日(金)に和歌山研究林ホームページにてご案内致します。
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採用情報 技術職員(林業技能補佐員) 森林圏ステーション 和歌山研究林
2015年8月25日
森林圏ステーション和歌山研究林では林業技能補佐員を募集いたします採用情報
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Newsletter #25-2 森の樹冠における植物と昆虫の相互作用

2021年5月28日
森林圏ステーション 和歌山研究林 中村 誠宏
植食性昆虫は様々な方法で葉を利用しています。葉に潜る潜葉性(せんようせい)、葉をかじる咀嚼性(そしゃくせい)、葉をガン化させて瘤を作るゴール性などがいます。このように、共通の資源を同じような方法で利用する生物グループのことを「ギルド」と呼びます。しかし、こんなに昆虫が繁栄しているのに、「世界は緑のままで、植物はあり余っているのは、なぜなのでしょうか?」

「昆虫にとって陸域の植物は理想的な餌なのでしょうか?」実は、植物は「まずい」物質を体内にため込む化学的防御を行っています。化学的防御には毒性の強いアルカロイドやテルペノイドを使う質的防御と消化阻害を起こさせるタンニンやフェノールを使う量的防御があります。このどちらも二次代謝物質です。この二次代謝物質とは成長や繁殖には直接的には関与しない植物が生産する有機化合物のことをさします。さらに、植物は物理的防御も行っており、これは摂食を妨げるトリコームやトゲ、そして食われにくくする葉の硬さなどをさします。野外調査では葉の硬さの指標としてLMAがよく使われます(LMAとは単位面積あたりの葉の重量)。つまり、「なぜ陸域の植物はあまり食べられないのか?」の答えは、昆虫の被食から葉を守るために植物は多様な防御システムを持っているからなのです。

植物は遺伝的に同じでも環境変化によりその形態的・生理的形質が容易に変化します。この変化させる能力のことを「表現型可塑性」と言います。表現型可塑性は移動できる動物よりも移動できない植物においてより重要だと言われています。また、環境変化はこの植物形質の可塑的変化を介して植食性昆虫に影響を与えることも分かってきました。
北海道の森林を垂直方向に見ると、葉群は複雑な階層構造をしています。高木、亜高木、低木があり、また樹木個体内も樹冠上層から下層まで幅広く葉が分布しています。この複雑な階層構造が樹冠内の複雑な光環境を作り出します。つまり、上層にある葉が光の侵入を遮断してその直下の葉の光環境を改変するように下層に行くほどに光強度が弱くなっていきます。この光環境の異質性に合わせて葉形質や昆虫の被食も変化すると予測されます。

そこで、光環境の異質性が樹冠内の葉形質と昆虫被食に与える影響を見た研究をここで紹介したいと思います。北海道南部の黒松内ではブナ成木の樹冠を直接観察するために巨大なジャングルジムが建設されています。空間的変異を見るために樹冠の上部と下部で、また時間的変異を見るために6月と8月に葉形質と被食の調査を行いました。
葉形質の時間的変異(季節変動)について説明します。LMA、窒素、C/N比を葉形質として測定しました。C/N比は炭素ベース防御物質の総量の指標です。LMAとC/N比は6月から8月にかけて増加しましたが、窒素濃度には季節変動は見られませんでした。次に、葉形質の空間的変異(樹冠の上部と下部の違い)について説明します。6月において樹冠の下部に比べて上部でLMA、窒素濃度、C/N比が高くなっていました。一方、8月においては窒素濃度とC/N比の空間的変異(上部と下部の違い)は6月と同程度であったのに対して、LMAはその変異がさらに大きくなっていました。
咀嚼性による被食、潜葉性とゴール性の昆虫密度を昆虫被食として測定しました。6月に咀嚼性、潜葉性、ゴール性の空間的変異は見られませんでしたが、8月に樹冠の下部に比べて上部で咀嚼性被食とゴール性密度が低下しました。この結果は、季節(時間)とともに被食の空間的変異が顕著化する(広がる)ことを意味しています。8月にLMAの空間的変異がより大きくなったことが原因だと考えられます。このように、樹冠では葉形質と被食に時間的・空間的変異があることが分かってきました。光の当たり具合で植物の「まずさ」は変わり、その違いを昆虫は賢く嗅ぎ分けて食べているのです。
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