農場公開2018

2018年9月4日

「ロボットトラクタ未来農業~ロボットたちが待っている,ちょっと未来を感じよう!~」

8月17日(金)に,北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場(北大農場)において,農場公開を行いました。北大農場では毎年公開を行っており,年ごとにテーマを決めて施設や教育研究活動を紹介しています。今回は,現代の農業で近年飛躍的に発展した農業機械について最新のシステムを紹介し体験してもらうというプログラムで,主に札幌市内から小学生と保護者3組7名の参加がありました。当日はオリエンテーションから始まり,ロボットトラクタのお話および実演,自動操舵トラクタの体験試乗,自動枝豆脱莢機の作業見学,農場生産物の試食を行いました。
はじめに,オリエンテーションでは,農場庁舎屋上から実験圃場で試験栽培されている青々とした作物やのんびりと放牧されている牛を眺めながら,全国の大学でも都心の中心部に農場があることは稀なこと等を説明しました。ロボットトラクタのお話では,農学研究院・岡本博史准教授から,機械化農業により一人当たりの耕作面積は拡大し生産性が高まったけれど近年は農家の後継者不足や高齢化など農家人口が減少し食料の安定供給が危ぶまれているので,未来の農業に向けて最新の「ITCを活用したスマート農業」(農業のロボット化)で上記の問題を解消するための取り組みを進めていることについて説明をしていただきました。
続いて,無人トラクタを倉庫前から作業を行う畑まで走行させる実演をし,走行時に説明者がトラクタ前方に近づくと障害物を感知し緊急停止(ブザーが鳴りトラクタ上部のパトライト赤ランプが点灯)する様子や,狭い農道を逸れることなくプログラム通りに移動する正確性などを,走行している無人トラクタの後を歩きながら見学してもらいました。
当日は生憎の雨で,当初予定していた畑での無人トラクタの除草作業はできませんでしたが,その後,自動走行するトラクタへの乗車体験を実施しました。普段乗り慣れている車とは違う高い座席からの広い視野や,力強いトラクタのエンジン音や振動を体験してもらうことができました。自動枝豆脱莢機の見学では,枝ごと刈り取ってきた枝豆から自動で莢をもぎ取る作業を実演しました。次々と枝から自動で莢が外されていく様子に大人も子供も歓声を上げ,楽しんでいただけたようでした。
最後に,北大農場で作られているアイスクリームを試食してもらい,全ての予定を終了しました。
当日は前日からの雨天で畑での実演を行なえず,また,足元が悪い中での見学となりましたが,参加された小学生や保護者の方は熱心に話を聞き多くの質問をするなど強く関心を持たれたようです。今後も農場公開を通して「農業における機械の役割や重要性」について考える機会を提供していきます。

写真1:屋上でのオリエンテーション

写真2:無人走行の見学

写真3:無人トラクタの試乗

写真4:自動枝豆脱莢機のデモ作業