大正~昭和初期にかけて、日本の動物学研究に貢献した標本採集人である折居彪二郎の採集標本が所蔵されています。近年、折居の活動が再評価されて、
採集日記の活字化・出版や資料を所蔵する苫小牧市立中央図書館による
データベース化が進められています。
北海道大学には、農学部と理学部の関係者に対して折居から提供された鳥類標本、哺乳類標本が残されていて、現在はすべてHUNHMに所蔵されています。農学部系統の標本については
目録として紹介しましたが、理学部系統の標本の紹介については今後の課題となっています。
整理の中で課題と考えている点は、折居から採集依頼者に対して納入された標本と、大学の研究資料として寄贈された標本との違いです。山階鳥類研究所をはじめとする他の機関に所蔵されている標本には、折居の採集日誌の記載に対応する標本番号が記載されていますが、北海道大学の標本には確認されません。おそらくは、調査の資金を出している依頼者とは別の研究者に販売するために、別グループの標本を採集・作製していたのではないか、と推測しています。フィールドノートと現存標本との対比から、研究資源としての標本情報の復元も可能かもしれません。また、標本採集人の実際の姿が見えてくるかもしれません。
>さらに詳しく(準備中)