当農場は1876年(明治9年)、札幌農学校の開設にあたり、教頭として招かれたアメリカ合衆国マサチューセッツ農科大学のW.S.クラーク 博士の指導のもとに、試作場および農家の模範農園として出発しました。農場は札幌市内の第1、第2農場から富良野市の第8農場まで、余市果樹 園を含めて実に6,000haを越える規模に達しました。その大部分は小作農場で、原始林を開墾して畑に変えた経過は「開墾者精神」そのもの で、北海道の農業の土台を築きました。
戦後に小作農が開放され、かつ大学の新規建物用地等に利用されたので、現在は札幌キャンパス内に60haと余市果樹園5haの経営です。2001年より、農学部・水産学部・理学部の附属施設と統合し、北方生物圏フィールド科学センターを設立し、耕地圏におけるフィールド科学研 究の施設となりました。
2003年から循環型畜産システム構築のために牛舎と豚鶏舎の移設、バイオガスプラント稼動 そして2011年にはアグリフードセンター(食品加工)が設置されました。農場庁舎(フィールドセンター管理棟)は2009年に改修されました。
札幌農学校時代(明治9年(1876)~明治39年(1906))
明治9年(1876)
開拓使勧業課から札幌の西北端に100haの所管換を受け、札幌農学校の開設と同時に農黌園(ウィリアム・S・クラーク博士監督)を設置した。
明治20年(1887)
開拓使勧業課から札幌育種場97haの所管換を受け、附属農園に編入した。
明治21年(1888)
北海道庁から札幌郡平岸村字簾舞所在地496haの所管換を受けた。
明治23年(1890)
北海道庁から空知郡栗沢村字ウエンベツ502ha及び夕張郡角田村字アノロ706haの所管換を受け、後にそれぞれ第5農場、第6農場となる。
明治28年(1895)
札幌農学校は文部省直轄学校となる。札幌農学校同窓会から土地、建物の寄贈を受けた。第1農園(札幌市北8条西5丁目)、第2農園(札幌村字元村)、第3農園(札幌郡平岸村簾舞)を第2、第3、第4農場と改称、旧札幌育種場を第1農場とした。同年亀田郡大中村所在地57haの所管換を受け、これを第7農場とした。
明治29年(1897)
北海道庁から空知郡富良野村字フラヌ所在未開地3,342haの所管換を受け、これを第8農場とした。
明治37年(1904)
第1農場建物を北11条西7丁目に新築した。
東北帝国大学時代(明治40年(1907)~大正6年(1917))
明治42年(1909)
第2農場畜舎及びその他の建物を北18条西7丁目に移築した。
大正元年(1912)
余市郡余市町から余市郡余市町字山田村所在地山田文教所跡地の寄付を受け、さらに同地区2haを購入し、余市果樹園を設置した。
北海道帝国大学時代(大正7年(1918)~昭和21年(1946))
大正15年(1926)
北海道庁から亀田郡七飯村所在地22haの移管があり、これを第7農場に加えた。農場の総面積は6,141haとなった。
昭和5年(1930)
第7農場79haを小作人に売却し、これを廃止した。
北海道大学時代(昭和22年(1947)~現在)
昭和24年(1949)~昭和25年(1950)
第3農場(320ha)、第4農場(577ha)、第5農場(198ha)、第6農場(758ha)、第8農場(2,973ha)、合計4,826haの小作人貸付地の大部分を解放するため、農林省、大蔵省に移管した。
昭和38年(1963)
学外農場のうち貸付地についてのみ、これを全面的に開放する方針を決定した。
昭和39年(1964)
第4農場(84ha)、第5農場(240ha)、第6農場(7ha)、第8農場(585ha)、合計(917ha)の小作人貸付地を全面的に開放するため、農林省に移管した。
昭和41年(1966)~昭和45年(1970)
農場の建物を第1農場は北11条西10丁目に、第2農場は北19条西9丁目に新築した。
昭和46年(1971)
第1農場と第2農場を合わせて学内農場とした。
昭和52年(1977)
第5、第6農場の全用地を農林省に移管した。
昭和53年(1978)
第8農場153haを旭川開発建設部へ編入した。
平成元年(1989)
北24条以北の採草地8.5haを用途廃止した。
平成9年(1997)
大学院重点化に伴い、附属牧場および附属植物園とともに農学研究科生物資源生産学専攻北方資源生態学講座(協力)を構成した。
平成10年(1998)
昭和37年から続いた13部制を廃止し、教育研究部(3部門)、技術部(4グループ)および事務部から成る組織に編成換えした。
平成13年(2001)
農学部、理学部、水産学部の諸施設(9)と学内共同利用施設(1)が統合されて発足した北方生物圏フィールド科学センターの中の耕地圏ステーション生物生産研究農場に改組された。
平成15年(2003)
循環型畜産システム構築のために牛舎と豚鶏舎の移設、バイオガスプラントを稼動した。
平成21年(2009)
農場庁舎(フィールドセンター管理棟)を改修した。
平成23年(2011)
アグリフードセンター(食品加工)が設置された。