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沿 革

 1931年(昭和6年),北海道大学理学部附属施設として厚岸町に創設され,寒流系生物を主とするわが国唯一の亜寒帯臨海実験所となった.初代所長は小熊捍教授が務めた.1949年(昭和24年),隣接の旧軍用地と自然林野を加えて,総面積約40万平方メートルとなり,海産生物のみならず,鳥獣その他自然生物全般の研究の場としても活用され,より総合的な海洋生物研究教育施設としての整備が進められた.旧軍施設は昭和26年に附属博物館として開設され(愛冠自然史博物館、博物館法指定施設),平成元年より改築された建物で公開されている.水族館については1996年(平成8年)8月に廃止された.
 2001年(平成13年)4月に,北海道大学の農学部の附属施設であった7つの演習林,農場,牧場,植物園,水産学部の附属施設であった臼尻水産実験所,洞爺湖臨湖実験所,七飯養魚実習施設,理学部の附属施設であった室蘭海藻研究施設と共に統合され,北海道大学の学内共同教育研究施設である「北方生物圏フィールド科学センター」を形成し,当実験所は,室蘭臨海実験所臼尻水産実験所洞爺臨湖実験所七飯淡水実験所と共に,その中の水圏ステーションに所属することとなった.当実験所においては,国内外の研究者や大学院学生,学部学生が研究遂行や実習受講のために来所し,長期もしくは短期に滞在して研究や実習に従事している.

昔の実験所

施 設 ・ 設 備

本館

スタッフ,学生は普段こちらの建物にいます.この本館は,日本建築学会およびDOCOMOMO Japan(国際組織DOCOMOMOの日本支部)から「日本におけるモダン・ムーブメンの建築」に選定され,また,北海道環境生活部文化・スポーツ局文化振興課の北海道文化資源データバンクに登録されており,歴史的にも価値ある建築物となっています.詳しくは「DOCOMOMO Japanサイト」,および「北海道文化資源データベース」をご覧下さい.

実験所本館

実習宿泊棟

実習生や外来研究者は,こちらの宿泊棟に滞在する事ができます.当実験所には,国内外の研究者・学生が年間約400名,延べ3000人日程度来所・滞在し,海洋だけでなく,汽水,河川,湿原,森林など多様な生態系を対象に,生態学,生物学,水産学,地質学,古生物学など多方面の研究が行なわれています.利用をご希望の方は「利用案内」のページをご覧下さい.

宿泊棟

愛冠自然史博物館(Facebook)

主に当地方産標本を約2,000点を展示しています.
【開館期間】:5月1日〜10月31日
【開館時間】:9:00〜16:30
【休 館 日】:毎週月・火曜日(祝日を除く)
【入館料金】:無料(団体の場合は事前に事務室までお申し込みください)
【諸注意】:お車でお越しの際は,愛冠岬駐車場にお車を駐めてください.林道部分への一般車両の進入は禁止です.
・現在のパンフレットはこちら
・水族館が開設されていた1996年まで使用されていたパンフレットはこちら

博物館

船舶

1. みさご丸(9.7トン、ディーゼル540 kw、定員30名、GPS 、魚探、レーダー、無線機搭載)
 ===>>>濱野・桂川(2009)(技術職員研修会議会報『臨海・臨湖 No.26』)
2. うみあいさ(船外機80馬力×2、定員11名)
3. えとぴりか(船外機40馬力、定員5名)

船舶

周 辺 環 境 と 生 息 動 植 物

 北海道東部太平洋岸,釧路市の東50km,厚岸湾東岸のアイカップ(愛冠)岬の断崖下の岩盤上に建つ.前面の海底は岩盤,砂礫.実験所の前面は保護規制海域として了解されており,アイカップ岬海岸は特別研究保護区として研究者以外の立入を禁止,野外実験に支障のないようにしている.特色のある寒流系生物は豊富に見られる.湾奥に行くに従い泥質となる.湾に連なる厚岸湖は浅くアマモが群生し,大小のカキ礁があったが,現在ではカキ礁は消失した,海水温は冬季から春季にかけ寒流(親潮)の影響をうけ低く,6~7月は海霧の日が多い.1月ころより湖内は結氷し実験所前の海面も,蓮葉状氷が連なる.雪は少なく除雪を要する日は少ない.
 実験所では,1950年(昭和25年)より継続して,実験所桟橋前の気温や水温などの気象・海洋データを観測しています.詳しくは,実験所桟橋前 水温・クロロフィルページをご覧ください.

実験所_春

春(4月ごろ)の実験所風景

実験所_夏

真夏(8~9月ごろ)の実験所上空風景

実験所_冬

真冬(1~2月ごろ)の実験所風景

実験所周辺で見られる主な動植物は以下のリストのものである.このほかにも多くの生物種が見られる(随時更新予定).