北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション

洞爺臨湖実験所

TOYA LAKE STATION

地域の環境

ピクチャー

 洞爺湖は二級河川長流川水系に属する、湖水面積約70km²、最大深度179m、平均深度116mのカルデラ湖であり、中央に4島からなる中島があり野性エゾシカが生息している。湖畔は、南岸に20~50年おきに噴火を繰返す有珠山(最近の噴火は2000年)、南西岸に道内有数の洞爺湖温泉があり、他は農業用地として利用されている。湖水は、1939年から水力発電のため、強酸性の硫黄鉱山廃水を含む長流川の水を導入したためpHが低下し、1970年にはpH5になり生息魚類数が激減した。1973年から炭酸カルシウムと消石灰による中和処理を行い、現在はpH7前後である。この他、湖水は農業用灌漑用水および飲料水として利用され、公共用水域に指定される環境保全上極めて重要な湖である。  内水面漁業としては、ヒメマスとワカサギが洞爺湖漁業協同組合と遊漁者により漁獲されるが、両魚種の漁獲高は年変動が大きく、変動要因の解明が待たれている。また、湖沼型サクラマスも生息し少量漁獲されているが、生活史および資源量等、不明の点が多い。この他、アメマス・ニジマス・エゾウグイ・コイ・フナ・ヨシノボリ・モクズガニ・スジエビが生息する。動物プランクトンは、Cyclops strenuus・Daphnia longispina・Bosmina longirostrisの3種が優占種である。

 実験所前の湖岸において、毎日湖水観測(水温)と気象観測(気温・最高最低温度・雲量・風向・風力・雨量・積雪高)を行っている。