海洋生態学研究室の研究テーマ2
岩礁潮間帯の群集生態学(チーム磯)

岩礁潮間帯の生物群集は群集生態学のモデルシステムとして、海洋生態系のみならずさまざまな生態系に適用可能な生態学の一般法則が発見、 検証に貢献しています。私たちは、生態学の最後のフロンティアと呼ばれている群集動態および生物多様性維持機構の空間スケール依存性を解明するための 野外研究を、日本各地の岩礁潮間帯を舞台に行っています。
生物群集の多様性とその決定機構の空間スケール依存性-潮間帯における大規模比較実験
複数の空間スケールで階層的に調査区を配置し、群集構造とその決定プロセスについての規則性と変異性を明らかにすることを目的として、 2002年度よりスタートしました。できるだけ長期に継続する予定です。研究場所は、現時点では日本列島太平洋沿岸の6地域(図参照)ですが、 数年後にはさらに空間スケールを拡大し、地球規模で研究を行っていく予定です。
研究チーム

- 仲岡雅裕
(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター) - 野田隆史
(北海道大学大学院地球環境科学研究院) - 山本智子
(鹿児島大学水産学部) - 堀正和
(水産庁瀬戸内海区水産研究所)
具体的な研究テーマ
- 類似度の解析による群集構造の階層性の検討
- 生物多様性と生態系機能の関係の空間スケール依存性
- 岩礁潮間帯の熱ストレスの定量的評価による地球温暖化の影響の予測解析
- 群集行列を用いた生物群集の遷移機構の解析
- ベントスの加入変動が加入後個体群に与える影響
- 食物網構造の空間変異のスケール依存性
- 岩礁潮間帯群集における帯状分布の空間変異
- 潮間帯生物における7つの稀少性