
白老町とともに未来の畜産を共創する──COI-NEXT本格型昇格へ向けた報告会を開催しました
私たち北海道大学 COI-NEXT「次世代和牛生産システム構築拠点」は、本年度、育成型から本格型への移行申請書を提出し、その取り組みの進捗と成果を町民の皆さまに共有するため、11月30日に白老創造空間「蔵」にて報告会を開催しました。
本イベントは、昨年度末 3 月 27 日に実施した「SHIRAOI-NEXTキックオフイベント」を受け、地域との共創をさらに深める“第二章”として位置付けるものです。日曜日の午後にもかかわらず、畜産経営者の皆さまだけでなく、多くの町民の皆さまにもご参加いただき、改めて白老町の「未来の畜産を一緒に考えたい」という熱意を強く感じる場となりました。その熱気あふれる会場には、大塩町長も駆けつけてくださり、さらに意義深いひとときとなりました。


今回の報告会では、育成型期間中に白老町とともに積み重ねてきたイベント・実証・対話活動を振り返りながら、代謝プログラミング・IoT・宇宙技術・放牧基盤型飼養といった要素を融合させた新しい和牛生産システムの可能性を共有しました。町民の皆さまからは、多様な視点からの質問や意見が寄せられ、研究者や企業だけでなく、地域が主体的に関わることの重要性を改めて実感しました。
本プロジェクトが大切にしているのは、「技術を社会に届ける」だけでなく、「地域と共に新しい畜産の未来をデザインする」ことです。白老町が長年育んできた和牛文化と、最新の科学技術を掛け合わせ、地域自らが未来の畜産の担い手となる。その道筋が確かに形になりつつあることを共有できた、有意義な時間となりました。
さらに今回の報告会では、7月に白老町の観光大使に就任した寿司職人であり起業家の小瀧由貴さんが、自身の取り組みである「薬膳サーモン」を紹介し、そのサーモンを使った寿司の握りを最後にふるまってくださいました。薬膳サーモンは、特別な飼料で育てられ、尿酸値の上昇を抑える成分アンセリンを含むことから、サーモン業界で初めて機能性表示食品として認められた新しい食材です。臭みがなく美味しいため料理人からも高く評価され、白老町の清水を活かした養殖によって地域の新たな特産品として注目され始めています。


このように、和牛生産システムの未来を考える場に、地域の文化や食の新しい挑戦が加わったことは、まさに「地域共創」の象徴です。科学技術と地域資源を組み合わせ、町民・研究者・企業が一体となって未来を描く姿勢は、これからのこのプロジェクトにおいても地域共創の姿勢を示す取り組みとして、白老町の新しい可能性を感じさせられるものだと考えます。白老町と共に歩みながら、持続可能で世界に誇れる「次世代和牛生産システム」の構築をめざすとともに、薬膳サーモンのような地域発の革新と共に未来の畜産・食文化をさらに豊かにしていくことを確信しています。




