

11月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催された「アグリビジネス創出フェア2025」。農林水産省が主催するこのイベントは、農業・畜産・食品分野の最新研究成果や技術を紹介し、未来のビジネスを生み出す場です。 今年、私たちは、❝新グラスフェッド和牛肉の開発:次世代生産システムによる新ブランディング❞としてブースを出展し、私たちが取り組んでいる 黒毛和牛の放牧研究 を紹介しました。
🐂 放牧牛を「太る体質」にする代謝プログラミング🧪
一般的に放牧牛は、自由に動き回るため「太りにくい」と言われています。そこで私たちは、JRA畜産振興事業の一環として「代謝刷り込み型牛放牧肥育技術の高度化」に挑戦しています。 キーワードは 「代謝プログラミング」。栄養を変えることで牛の体質を胎児期から調整し、放牧環境でも効率的に太れるようにする技術です。これにより、自然の中で育てながらも、肉質の良い和牛を生産できる可能性が広がります。
🛰️ IoTと宇宙技術でスマート畜産📡
さらに、農林水産省の オープンイノベーション研究・実用化推進事業での衛星やIoTを活用した放牧牛の管理技術は、効率的な生産を可能にするだけでなく、牛が快適に過ごせる環境を整えるという アニマルウェルフェア(動物福祉) の観点からも大きな意義があります。
- 測位衛星で牛の位置や運動量を把握
- 地球観測衛星で牧草地の植生や状況を推定し、放牧地をローテーション管理
- 捕獲した牛を個体識別し、個体ごとに適正な餌を給餌
- スマホアプリで牛の体重を推定
これらをパッケージ化したのが COI-NEXT「次世代和牛生産システム構築拠点」。北海道白老町でのプロジェクトでは、実際にこれらの技術を使って黒毛和牛が放牧されています。
🍽️ 新グラスフェッド和牛の試食🐂
今回のフェアでは、これらの技術を駆使して生産された 新グラスフェッド和牛肉第1号 の試食も行いました。 赤身中心でありながら、適度にサシが入り「美味しい!」と多くの来場者からの高評価。自然放牧で育てた牛が、ここまでの肉質を実現できることに驚きの声が上がりました。



🧑🏫出展者プレゼンテーション🎤


— COI-NEXT 次世代和牛生産システム構築拠点の取り組みが満員の会場を沸かせました―
11月27日(木)午後、アグリビジネスフェアのセミナールームBにて、COI-NEXT〈育成型〉「和牛生産システム構築拠点」のプロジェクトリーダーである後藤貴文教授(北海道大学)が出展者プレゼンテーションを行いました。
会場席は、農林水産省をはじめ、畜産関連企業、大学関係者、そして一般来場者まで、ほぼ満席で立ち見が出るほど多様な層の方々が来られました。それだけ本プロジェクトの取り組みが、「日本の畜産のあり方を変える可能性」を感じさせていることの表れと言えます。
後藤教授の講演では、和牛の生産性向上だけに留まらない、放牧・草資源活用・環境負荷低減・データ駆動の最適化など、多面的で革新的なアプローチと、北海道白老町との共創が紹介されました。

🌍 サステイナブルな畜産の未来へ🌱
この取り組みの本質は、日本の未利用地を活用し、持続可能な方法で和牛を生産することにあります。 代謝プログラミングやスマート畜産技術を組み合わせることで、
- 生産コストを抑えつつ高品質な肉を提供
- 農家に利益をもたらす仕組みを構築
- 環境負荷を減らし、持続可能な畜産を実現
という未来像が見えてきます。
❓ 今の畜産にとっての重要性📈
高齢化や労働力不足、環境問題など、畜産業は多くの課題を抱えています。 「放牧牛を太らせる」「衛星で牧場を管理する」「スマホで牛の体重を測る」――これらの技術は一見未来的ですが、実は 今の畜産を持続可能にし、アニマルウェルフェアを守るために欠かせない挑戦です。
私たちの研究は、単なる技術開発ではなく、農家が利益を出しながら環境にも優しい畜産を続けられる仕組みづくり。 この新しいグラスフェッド和牛が広がれば、日本の畜産は大きく変わるかもしれません。
✨ 次世代の和牛生産は、すでに始まっています。 「美味しい」と笑顔で試食してくださった皆さんの声が、その未来を後押ししてくれると信じています。












