🌱アメリカの農業普及制度「エクステンション」から学ぶ未来へのヒント

北海道大学エクステンションプログラムの一環として、米国テキサスA&M大学より木村絵美准教授を招聘し、「アメリカの農業普及制度(エクステンション)と組織文化」をテーマにした講演を開催しました。 この講演は、農業という枠を超え、大学・地域・社会がどう連携し、未来を育てていくかを考える貴重な機会となりました。

アメリカでは、ランドグラント大学が中心となり、地域の農家や住民に寄り添いながら、農業技術・経営・環境保全などを支援する「エクステンション制度」が確立されています。 この制度は、大学が地域社会の知的インフラとして機能する、まさに「知の公共財」の実践です。 単なる技術指導ではなく、地域と大学が共に未来の農業を育てる壮大な知のネットワーク。アメリカの農業普及システムは、大学・政府・地域が連携して農業技術や知識を農家に届ける仕組みとして、世界的にも高く評価されています。

北海道大学でも、こうした考え方を取り入れ、地域と共に歩む農業支援のあり方を模索しています。 学生たちにとっても、「大学で学ぶことが社会とつながる」という実感を得る貴重な機会となりました。 世界には、大学が地域の未来を支える力になっている場所がある。 その事実を知ることは、視野を広げ、自分の可能性を拓く第一歩です。

🧩 組織文化という「見えない力」

講演では、組織文化についても深く掘り下げられました。 組織文化とは、価値観・行動様式・コミュニケーションの仕方など、目に見えない「空気」のようなもの。 それは時代や環境に応じて進化し、柔軟な運用が求められるものです。

北海道大学においても、各学部や部署での人材育成、役割分担の見直し、専門性の強化などを通じて、組織文化の改善が進められています。 過去の課題を検証し、研究成果を社会に還元することで、大学の価値と信頼性が高まる。 このような取り組みは、経済的な効果だけでなく、地域との絆を深める力にもなるのです。


🎓 学生へのメッセージ:未来は「知」と「つながり」の中にある

講演を通じて、学生たちは「知識が社会を変える力になる」ということを実感しました。 そして何より、大学で学ぶことが、地域や世界とつながる希望になるということを感じてくれたのではないでしょうか。

組織文化の理解は、ツールや技術の導入にも役立ちます。 新しい挑戦を恐れず、柔軟に対応し、長期的な視点で組織を育てていく。 その姿勢こそが、未来を切り拓く力になります。

北海道大学は、これからも地域と共に歩み、学生一人ひとりが社会に貢献できる力を育てていきます。 この講演が、その第一歩となったことを、私たちは誇りに思います。