
私たちの「宇宙牛プロジェクト」は、北海道新得町にある新得畜産試験場を訪れ、職員の皆さまと意見交換を行いました。
まず、プロジェクトのビジョンや、宇宙視点で持続可能な畜産を目指す取り組みについてご紹介。衛星データ活用やグラスフェッド和牛のブランド化など、これからの挑戦をお話ししました。
その後の意見交換では、これからのプロジェクト推進にとって貴重な示唆を多くいただきました。
和牛肉生産の新たな方向性と課題については、A5ランクの脂肪過多な肉よりも、希少性やストーリー性を備えたA3ランク肉の可能性。放牧黒毛和牛のような「物語のある価値」が、国内外の市場で差別化につながるという考えでした。
また、部位ごとの価値訴求や輸出支援サービスの活用、大学をネットワークのハブとして流通を支援する戦略など、マーケティングや販売の新たな道筋についても具体的な提案をいただきました。
試験場の役割としては、農家が試せない実験的な研究への挑戦、大学との分業による現場への還元が重要とのこと。さらに、牧草地や自給飼料の共有、スマート農業における哲学的・倫理的視点の必要性など、放牧酪農と肉牛生産をつなぐ視点も示されました。
消費者ニーズの変化や異分野との協働、担い手不足や高齢化への対応、多様性を尊重した経営支援――これらはすべて、北海道の畜産が持続的に発展していくための鍵となります。
今回の意見交換で得られた多角的な視点は、「宇宙牛プロジェクト」にとっても大きな羅針盤となりました。これからも研究機関や生産者、消費者、異分野の仲間たちと共に、未来の畜産のかたちを共創していきます。
また、意見交換の後には、新得畜産試験場内の施設や研究の現場を視察させていただきました。実際の試験・研究の取り組みや現場の環境を拝見することで、これからの共創の可能性や、地域に根差した畜産の未来像について多くのヒントを得ることができました。







