目的
太陽光・風力・バイオマスなどの再エネの活用は、温室効果ガス削減に資する一方で、森林伐採など土地利用変化による生態系の攪乱、自然資本の持続可能な活用などの面で対策の必要性が指摘されています。SDGsではさまざまな目標の調和が求められており、北海道に立地し次世代を担う人材を育成する本学はこれを看過することはできません。
再エネ活用による土地利用変化は、農林水産業との競合や生態系への影響リスクが大きく、環境への影響と経済性のトレードオフが起きやすくなります。農・林・水産学・生態学分野の研究実績を有し、SDGsにも強い本学が再エネに関する教育研究に取り組むことで、ネイチャーポジティブと地域社会ポジティブのバランスの取れた課題解決力を持つ人材を輩出します。
教育研究内容
学部教育・大学院教育を通じて、再エネ活用に関する「企画開発」「環境影響評価」「設置・運用・管理・撤去」までのライフサイクル全体を俯瞰した研究を推進します。これにより、ネイチャーポジティブと地域社会ポジティブを両立させる社会システム実装を総合的にマネジメントできる人材を育成します。
まずは、北海道洋上風力アカデミー(HOA)コンソーシアムを活用し、自治体、企業、教育研究機関等と連携したリカレント教育を展開することで専門人材を輩出します。また、これを様々な再エネに関する教育研究に展開・発展させることで、地方創生にも寄与することを目指します。
期待される成果等
再エネの導入を進める地域と協働し、事業者と地域のステークホルダーや住民との合意形成プロセスに関与できる人材育成と環境システム評価ツール開発を推進することで、地域への利益の還元と自然資本の持続可能な活用を目指します。
ネイチャーポジティブ、地域社会ポジティブの両立を図る人材の育成と環境システム評価研究
- 再エネ導入による環境負荷をトータルで評価することで、ネイチャーポジティブな事業計画の策定に寄与する。
- 地域が有する自然資産の価値の新たな評価方法を構築し、評価結果を「見える化」することで、自然資産の価値を地域の 中で共有するとともに、その在り方や活用について検討し、地域社会ポジティブを実現する。
- 地元企業からの調達率の向上と質の高い雇用の創出を実現する。

教育研究体制
教育研究活動グループ
環境社会システム研究グループ
- 地域社会との合意形成プロセス研究
- 海洋エネルギーシステム研究
- 自然資産価値評価手法
再エネ基盤研究グループ
- 地域最適化電力システム研究
- 再生可能エネルギー技術研究
人材育成グループ
再生可能エネルギー関連人材の育成のための学部・大学院教育、およびリカレント教育
兼務部局
- 北方生物圏フィールド科学センター
- 水産科学研究院
- 工学研究院
- 情報科学研究院
- 文学研究院
- サステイナビリティ推進機構
- 大学院教育推進機構
- リカレント教育推進部
