2026年5月14日、北海道大学学術交流会館において、JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)地域共創分野「次世代和牛生産システム構築拠点」の本格型昇格のキックオフシンポジウムを開催しました。

本拠点は、2024年度から育成型として活動を進めてきましたが、このたび本格型への昇格が決定し、新たなステージへと歩みを進めることとなりました。本シンポジウムは、これまでの成果と今後の展望を共有するとともに、産学官金の多様な関係者との共創をさらに深める機会として開催されました。

午前の部 研究者ミーティング

シンポジウムに先立ち、午前中には参画機関の研究者によるミーティングを実施しました。

新たに参画した岐阜大学、福岡教育大学をはじめ、プロジェクトに参画する研究者が一堂に会し、本格型期間における研究開発の方向性や各研究課題間の連携について活発な議論を行いました。

また、ワーキングランチを交えながら交流を深め、今後10年間にわたる拠点活動に向けたチームビルディングの場ともなりました。

午後の部 キックオフシンポジウム

午後から開催されたシンポジウムには、参画機関の関係者をはじめ、企業、自治体、研究機関など100名を超える皆様にご参加いただきました。

開会にあたり、本学 寳金清博総長よりご挨拶をいただき、本拠点への期待とともに、北海道大学として本プロジェクトを力強く支援していくとのお言葉を頂戴しました。

続いて、JST共創の場形成支援プログラム地域共創分野のプログラムオフィサーからのビデオメッセージ、さらに幹事自治体からのご挨拶があり、本拠点への大きな期待が寄せられました。

拠点報告では、プロジェクトリーダーである北海道大学北方生物圏フィールド科学センター教授・後藤貴文PLより、本拠点が掲げるビジョン「デジタルネイティブ世代が先導する“食の尊さを未来へつなぐ循環社会”の創造 ~ウシと紡ぐ地球と命の絆~」について紹介がありました。また、育成型期間における成果と、本格型期間における研究開発・社会実装の展望が示されました。

さらに、副プロジェクトリーダーであり株式会社敷島ファーム代表取締役の高田正樹氏より、グラスフェッド和牛肉への期待や現場から見た課題と可能性について講演が行われました。

後半では、本格型から新たに加わった研究課題を中心に、各研究リーダーによる講演が行われました。

岐阜大学の八代田真人先生からは、持続可能な畜産に向けた放牧の可能性について、北海道大学の内田義崇先生からは環境負荷低減型畜産の実現に向けた取り組みについてご紹介いただきました。

また、北海道大学工学研究院の野村理恵先生からは、地域内外の人々が交流し共創を生み出す拠点としての「ボーディングプレイス」の構想について、北海道大学大学院農学研究院の清水池義治先生からは、地域資源を活用した「誇れる食のコミュニティ」の形成について講演いただきました。

それぞれの発表からは、本拠点が単なる研究プロジェクトにとどまらず、地域社会や次世代人材の育成を含めた幅広い挑戦であることが共有されました。

意見交換会

シンポジウム終了後は、北海道大学ワイン教育研究センターにおいて意見交換会を開催しました。

会場では、研究開発成果の一つである代謝プログラミング技術を活用して生産された放牧和牛のローストビーフに加え、プロジェクトの活動拠点である白老町の食材や特産品を取り寄せ、参加者の皆様にご紹介しました。

本拠点は、和牛生産技術の研究開発だけでなく、地域とともに価値を創り上げることを大切にしています。白老町には豊かな自然環境や食文化、多様な地域資源があり、それらを活かしながら地域とともに発展していくことが、本プロジェクトの目指す姿の一つです。

本拠点が目指すのは、研究成果を社会へ還元するだけではなく、地域住民、自治体、企業、生産者、研究機関が一体となって新たな価値を創り出す「共創」です。白老町の豊かな自然や食文化、産業、人々の営みを大切にしながら、地域とともに未来を描き、ともに成長していくことを重視しています。

意見交換会では、白老の魅力を味わいながら、研究者、企業、自治体関係者が活発に交流し、本拠点が目指す地域共創のあり方や今後の展望について意見を交わしました。参加者同士の新たなつながりも生まれ、本プロジェクトが地域とともに歩む共創の場となりました。

本格型期間のスタートにあたって

今回のキックオフシンポジウムは、本格型期間の幕開けを象徴する大変意義深い機会となりました。

これまで育成型期間で築いてきた産学官金のネットワークと研究成果を基盤として、今後は研究開発と社会実装をさらに加速させていきます。

「次世代和牛生産システム構築拠点」は、白老町をはじめとする地域との共創を通じて、持続可能な畜産業と地域社会の実現に向けた挑戦を続けてまいります。

ご参加いただいた皆様、ご支援いただいている関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今後とも本拠点の活動にご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。