忍路臨海実験所


 忍路(おしょろ)臨海実験所の歴史は、1908 年(明治41年)、わが国では2 番目に古い大学の臨海施設として東北帝国大学農科大学水産学科に忍路臨海実習所が設置されたことに始まります。実験所は小樽市の中心部から約15km 西方向に位置し、施設が面する忍路湾は石狩湾の湾奥にあり、夏季から秋季にかけては対馬暖流が、冬季から春季にかけてはリマン海流系の海水が入り込み、湾口に続く岩礫地帯は格好の海産動植物の生息・生育場所になっています。湾内は荒天の際にも波浪を生じにくい環境であるため、実験所前浜は一年を通して様々な海凄生物の採集のみならず、各種の飼育実験、海水の測定、プランクトン採集にも適しています。これらの地域特性を生かし、現在は担当教員による大型海藻−特にコンブ類−を対象にした、多様性研究や保全研究、育種研究が進められているほか、毎年札幌キャンパスや函館キャンパスから多くの研究者・学生が訪れ、海凄生物の分類や生態、生物の持つ化学物質などに関して教育・研究活動を行っています。
 なお、2015年7月にはセンターの水圏2施設(臼尻水産実験所と七飯淡水実験所)とともに文部科学省から“教育関係共同利用拠点「食糧基地、北海道の水圏環境を学ぶ体験型教育共同利用拠点-多様な水産資源を育む環境でのフィールド教育-」”に認定され、毎年全国各地の大学からから多くの学生を受け入れています。


- 忍路臨海実験所の沿革 -
1908年  東北帝国大学農科大学水産学科忍路臨海実習所として設立
1918年  北海道帝国大学附属水産専門部忍路臨海実験所に改称
1935年  北海道帝国大学本部所管
1940年  北海道帝国大学農学部水産学科
1953年  北海道大学水産学部
1971年  北海道大学 学内共同利用施設に改組
2001年  北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
2004年  国立大学法人北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター


北海道大学北方生物圏フィールド科学センター忍路臨海実験所
〒048-2561 小樽市忍路1の460  (忍路臨海実験所へのアクセス
TEL: 0134-64-2303

*忍路臨海実験所の利用に関しては、実験所のホームページをご覧ください