施設・教員紹介

小樽市の中心部から約15km南西の忍路湾に位置する当実験所は，明治41年(1908年)に本学水産学部の前身である東北帝国大学農科大学水産学科の付属施設として設立され，わが国では東京大学の三崎臨海実験所(明治19年設立)に次ぐ歴史をもっています。夏から秋にかけては対馬暖流が、冬から春にかけてはリマン海流系の海水が入り込み，海水温は年間を通して5～22℃の間にあります。干満の潮位差が少なく，湾口に続く岩礫地帯は格好の海産動植物の生息場所です。また，湾内は強風の際でも波浪を生じない環境であるため，様々な無脊椎動物・魚類・海藻類の採集に加え，各種飼育実験，海水測定やプランクトン採集にも適しています。

実験所長　　四ツ倉　典滋　教授
専門分野　：海産植物学
研究テーマ：コンブ目植物，生物多様性，遺伝資源保全，育種

当実験所は北海道大学水産学部の附属養魚実習施設として建設され，平成13年（2001年）の北海道大学内の組織統合による北方水圏フィールド科学センターの設立に伴い，水圏ステーションに「七飯淡水実験所」として編入されました。平成23年（2011年）12月には，古い方形の飼育池を改修し，16基の近代的な円形の飼育水槽が設置されました。平成26年（2014年）には研究棟が建て替えられました。毎時0.6tの井水と，3tの河川水を飼育に利用し，サケマス類，チョウザメ類，ゼブラフィッシュ，キンギョ，ウナギ等様々な魚類を飼育し，研究・実習に提供しています。

実験所長　　萩原　聖士　准教授
専門分野　：生理生態学
研究テーマ：サケ科魚類，ウナギ，チョウザメ，春機発動，繁殖，性分化

当実験所は，1927年（昭和2年）に洞爺湖漁業協同組合が建設した姫鱒孵化場を1936年（昭和11年）に当時の函館高等水産学校に寄贈されたものです。1966年（昭和41年）に”北方域における魚類の増殖と陸水学的研究・実験及び実習”を目的として北海道大学水産学部附属洞爺湖臨湖実験所，2001年（平成13年）4月に北方生物圏フィールド科学センター洞爺臨湖実験所となりました。北方圏の国立水産系大学の中では唯一の臨湖実験所です。