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当実験所では,海洋生態系をより良く理解するため,また,地球温暖化を含めた気候変動が海洋環境に与える影響を評価するため,長期間にわたる気象海洋観測データを取得しています.ここでは,実験所桟橋前で,1950年(昭和25年)より観測を続けているそのデータの中から,特に水温とクロロフィルa濃度を紹介しています. 野帳

記念すべき観測開始年(1950年(昭和25年))の観測日誌

観 測 ・ 採 水 方 法

当実験所の技術職員ならびに事務職員の皆さんが,平日の午前10時に観測を行っています.また,2016年からは週に2回(火曜日と金曜日),クロロフィルa濃度の測定も開始しています.採水には,表面採水器(離合社)を用い,2回共洗い後に,およそ1分間表面に係留し温度を馴染ませた後,海水をくみ上げています.採水後は,直ちに棒状水銀温度計(安藤計器製工所,検査成績書付)にて海水温を読み取り記録し,その後,クロロフィルa濃度測定のためのろ過を行なっています.ろ過には,ガラス繊維ろ紙(Whatmann, GF/F, 25 mm diameter)を用い,50 mlをハンドポンプを使い0.013 MPa(100 mmHg)以下でろ過しています.ろ過後,ガラス繊維ろ紙にトラップされた植物色素を6 mlのDMFにて抽出(Suzuki and Ishimaru, 1990),蛍光光度計(Turner 10-AU, Turner designs)を使い非酸添加法(Welschmeyer, 1994)に従い,クロロフィルa濃度を測定しています.

実験所桟橋前における水温の変化(2021.12.22更新)

SST_comparison


2016~2021年の実験所桟橋前における海表面水温とクロロフィルa濃度の時系列変化

SST_Chl_2016-2021


1956~2020年の実験所桟橋前における海表面水温の長期変化

ここでは,実験所桟橋前における海水温の長期変化を紹介してます.気象庁のデータと照らし合わせるため,解析方法は気象庁と同じくしてあります(気象庁のデータはこちら).図の赤丸は各年の平均差を示し,黒の実線は5年移動平均値を表しています.平均値は1981年から2010年までの30年間の平均値を用いています(WMO(世界気象機関)の基準と一緒).灰色の実線は,潮汐18.6年周期振動を表しています.

SST_From1956-2020