北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション 厚岸臨海実験所

国際研究教育プロジェクト(海洋生態学)の参加学生の募集

2013年に実施される下記の国際研究教育プロジェクトに参加する大学院生(もしくは学部学生)を募集します。関心のありそうな方に広くご周知いただけましたら幸いです。

1:GAME(Global Approach by Modular Experiment)
 地球規模で進行する環境変動に対する生物群集の反応を理解するには、環境条件の異なるさまざまな地域で同じデザインの実験を行い、その結果を比較することにより、一般性と特異性を検討する方法(「モジュール実験によるメタ解析」)が有効です。GAMEは、このような実験方法により、生物群集の変動プロセスを統合的に解明すること、また、そのような地球規模の視野を持った専門家を育成することを目的として、ドイツ最大の海洋研究所であるGEOMAR(キール大学と連携)が主催して行っている国際研究教育プロジェクトです。日本からは、平成16年度より東北大学や千葉大学、北海道大学などの大学院生、学部生が参加しています。本プロジェクトの詳細については、GAMEのホームページをご覧ください。
 GAMEの特徴的な点は、世界各国(含む日本)から参加する大学院生がドイツの大学院生と2名のチームを組み、それぞれの国(日本)で約6ヶ月の実験を行うところです。その前後に行われるドイツでの講義、実習を含めて10ヶ月のプロジェクトになります。具体的なスケジュールは下記の通りです。
・2013年3月:ドイツ・キールにあるGEOMARで事前講習を受けます(4週間)
・2013年4月~9月:厚岸臨海実験所にてドイツ人のパートナーと2名1組で課題研究を実施します
・2013年10月~12月:GEOMARにて、データ解析と論文執筆を行います
 次期プログラム(2013年3月~12月)のテーマはこれから関係する研究者間の協議で決まりますが、海洋の移入種問題や地球温暖化・海洋酸性化などグローバルな環境問題に関連したテーマを設定することを検討中です。GAMEの研究成果は、各参加者が修士論文・博士論文・学部の学位論文などの一部として利用することができます。さらに、世界各地のデータを統合したメタ解析に参加することにより、評価の高い国際誌への投稿も行っています(実際に投稿するかどうかは、その時の研究成果の質によります)。

2:ZEN (Zostera Experimental Network)
 北半球温帯域に広く分布するアマモ場(海洋種子植物であるアマモZostera marinaが主体となって形成される藻場)は、沿岸生態系の中でも重要な役割を果たしています。ZENは世界各地のアマモ場で同じデザインの野外操作実験・観測を同時に行うことにより、生物群集の形成機構、生物多様性および生態系機能の変動機構の一般性、条件依存性を明らかにすることを目的としたプロジェクトです。上記のGAME同様に修士・博士・卒業論文のテーマとして参加することが可能です。本プロジェクトの詳細については、ZENのホームページをご覧ください。

以上、関心のある方は仲岡(nakaoka@fsc.hokudai.ac.jp)にご連絡ください。(spamメール防止のため、@が全角になっています。 半角の@に変更してメールを送信してください)